その花の香りに酔う前に……

□第四夜 後夜祭
1ページ/1ページ




正直、ミサキがただの人間だと知って安心した



たとえばもし、どっかで読んだ物語みたいに実はミサキの手下だった、とかだったら……などと考えていた

(ま、それでも俺は手放すつもりは無いけどな)





「ミサキ、お前は兎達のところに行け。コイツは俺が殺る」

「了解」






俺は六幻を構える






「へぇ……キミ、もしかしてミサキが好き?」

「だったら何だ」

「いやぁ?俺としてはさ、強力なブローカーってか、俺に順当な人形にするつもりだったんだよねぇ」






ニィ、と歪んだ笑みを見せるこのノアに殺意が増す






「斬る」

「俺もちょっと本気ださないとやばいかもねぇ」























視界が黒く塗りつぶされて、千年伯爵の攻撃をまともに受けた

(ミサキは!?)

体中が悲鳴をあげる中、あたりを見回せばミサキを抱きしめるラビの姿があった

(やっぱミサキを馬鹿兎んとこ行かせるんじゃなかったな……)

ミサキが無事だったことの安堵より、ラビへの嫉妬心が少しだけ上回ったことは、誰も知らない


第四夜 後夜祭完
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ