その花の香りに酔う前に……

□第二夜 後夜祭
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「はぁ……」





今回の任務はやたらと疲れた

(三日間も闘いっぱなしだったしな)

まぁ、それでもいい特訓にはなったと思う





「そいえば、ミサキが食堂行こうとか言ってたな」





折角ベッドに倒れこんだものの、ミサキを迎えにいくため再び起き上がる





「あ、あの!」

「お前……」





廊下に出てすぐ、待ち伏せをしていたかのように一人のファインダーが立っていた





「あの、お疲れ様でした!」

「ああ」





名前は覚えてないが、ついさっきまで共にティゴリまで行ったファインダーだった

(アン……なんだったか)

名前は忘れたし興味もなかったのでその場を去ろうとする






「神田さん!!」

「……まだなんか用か」





思わずはぁ、とため息をついてしまう





「わ、私……ず、ずっと神田さんのこと……」

「黙れ」

「……ッ!」





女だろうが関係ない。俺は六幻を突きつける





「それ以上先は口にするな」

「わ、わたし……」

「聞こえなかったか、黙れ。俺の前から消えろ」

「ごめんなさいっ!!」





ファインダーは足早に去っていった

(その先の言葉は……ミサキにだけ言ってもらいたい言葉だ。他のヤツの口からなんて聞きたくもねぇ……)





「……いつまでそうしているつもりだ」

「バレてたさ?」

「当たり前だ」





通路の角のところからラビがいた






「泣かせることないさー」

「関係ない」

「ホンット、ミサ以外は興味ないんさね、ユウは」

「……」





静かに、ラビを睨み付ける





「そーんな怖いツラしてっとミサに逃げられっぞ?」

「テメェ……」

「あ、ユウーーー!!と、ラビ!?」





(最悪だ)

案の定、ラビを見つけたミサキはピクリと肩を揺らした





「ミサー♪食堂いくんさ?」

「う、うん!ラビも行く?」

「おう♪オレも行くさ♪」

「馬鹿兎はおいて早く行くぞ」





無理矢理ミサキの腕を掴んで歩き出すと、クスリとわらってミサキもついてきた






「はーい♪」

「あ、ちょ、ちょっと待つさーー!」





やっぱり、今日は最悪な日だ

第二夜 後夜祭 完

(クリームパスタとサラダ下さい!)
(オレ、焼き肉セットね♪)
(蕎麦を頼む)
((やっぱり!!))

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