その花の香りに酔う前に……
□第一夜 後夜祭
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苛つくモヤシとの任務がようやく終わると思ったら今度はデイシャとの任務だった
(チッ……)
ミサキとデイシャがつるむと本気でタチが悪い
「すー……」
「…………」
マテールを離れ、デイシャとの任務地へ向かう最中の列車の中、ミサキは気持ち良さそうに俺の膝を枕にして眠っている
(こいつには危険意識と言うものが無いのか?)
溜め息をつくのはこれで何回目だろうか?
「カァー?」
「ロウか、どうした?」
ロウが真っ黒な目で俺を見つめてくる
「安心しろ、手を出すことはしねぇ……こいつは……こいつが好きなのは俺じゃないからな」
「カァ……」
俺には会わなきゃならねぇ人がいる
でも、こいつを好きなのも事実
「ハッ……本当にタチわりぃ……」
蓮華の花が咲き誇る列車の個室で俺は一人、ミサキの頭を撫でながら外を眺めていた
第一夜 後夜祭完
(よし、デイシャなにやろうか!)
(じゃあまず神田の髪紐を……)
(カァァア!!)
(お前ら……)
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