その花の香りに酔う前に……

□第二夜後編 千年の騎士
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「カァァアア!」

「な、なに……ロウ……?」






早朝、やたらと騒ぐロウに起こされると窓の外を見ろとロウが伝えてくる






「?」

「カァ!」

「あれはっ!?アレン、起きて!!」






私はベッドの側に掛けておいたコートを急いで羽織る






「に、にゃんれすか……?」

「AKUMAが闘技場に向かってる!」

「!?」









 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇








闘技場からは沢山の賞金稼ぎと思われる者達の悲鳴が聞こえてきた





「まずい、急ごう!!」

「アレン捕まって!いくよ、『黒翼』!!」

「はい!」






闘技場の近くまで来ると『黒翼』を使い、その中へ飛び込む






「ありがとうミサキ!」

「うん!」






私はアレンをおろしてすぐに再び上空へ舞い上がり、沢山の『黒羽』を作り出す






「『黒雨』!!」






上空に舞った幾千の『黒羽』がいっせいにAKUMA達へ降り注ぐ





「アレンはレベル2をお願い!!この技はレベル1にしか効かな……」

「おい!た、助けてくれぇ!」

「!?」






逃げ惑う賞金稼ぎの一人が私に向かってそう叫んできた

(昨日の威勢はどこいったんだか……)

私はもちろんそんな言葉は聞かずにAKUMAを倒し続ける

















AKUMAがある程度片付き、闘技場には賞金稼ぎしか残らなくなった頃、そこへ一人の赤髪の大男が闘技場へ入ってきた

(新しい賞金稼ぎか?)

大男は背中に背負った大剣を取り出す






「我が名はヴィクトリオ。ティゴリの領主家に使える剣闘士」

「コイツがヴィクトリオだ!間違いねぇ!」

「サンドラ姫の命によりお相手いたす」


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