その花の香りに酔う前に……
□第五夜T ノアの方舟
1ページ/9ページ
「どわぁぁああああ!!
……ぐえ」
急降下する体が急に止まったと思うと次は圧迫感に襲われた
(く、くるしい……)
おそるおそる目をあけると、目の前には苦しそうに顔を真っ青にするラビの顔があった
「だ、大丈夫さぁ?」
「……ッ!!
だいじょ……」
だいじょうぶ、と最後まで言い切る前に誰かが私を引っ張った
「馬鹿兎に変なことされてないか?」
「あ、うん、なにもされてないよ」
(ラビを見て思わず反応してしまった……)
やっぱり私はまだラビが好きなのだろうか?
(てかここどこ?)
「なんだこの街は」
「!!……ここ、方舟の中ですよ!!」
「ええっ!?」
私達が落下したところは、家が立ち並ぶ街の道路であった
(方舟……?だから人間がいないのか)
「カァア」
「ロウ、近くにAKUMAを感じる?」
ロウは首を横に振った
「お、おい!!リナリーの下に変なカボチャがいるさ!!」
「カボチャ?」
一番の下敷きになったリナリーのしたにはぺちゃんこになったカボチャんの傘があった
「っは!!どけレロクソエクソシスト!!ぺペッ!!」
「しゃべった!!」
もとの形にもどった傘は急にしゃべりだした
.