その花の香りに酔う前に……
□第三夜 ティエドール部隊
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「はぁっ、はぁっ……ッ!黒羽!!」
ドカン、と大きな爆発音をたててAKUMAが爆発する
(数が多い……)
倒しても、倒してもAKUMAは沸いてきた
「ふぅ……ちょっと休憩」
私は物陰に隠れ、いったんAKUMAから身を引く
「今、皆どこにいる!?」
『デケェ変な塔から東に3キロくらい?』
『私は西に5キロといったところだろう』
「私は北に3キロ……」
『チッ……俺は南だ』
長い夜になりそうじゃん、とデイシャの声がした
私達――私、ユウ、マリ、デイシャはAKUMAに囲まれ、闘っているうちにはぐれてしまった
なぜ私達ティエドール元帥の弟子達が集まっているか、それには大きな理由があった
それは、つい一週間前のこと……
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「君達には四人にはティエドール元帥の元へ向かってほしい」
集められたのは私、ユウ、マリ、ディシャの四人。全員ティエドール元帥の弟子達だ
「イエーガー元帥の事は知っているね?今、元帥は伯爵側から狙われている。君達は元帥のところへ行き、教団に連れ戻してほしいんだ」
コムイは真剣な表情でそう言った
「でもあの師匠が素直に戻ってくるとも思えないよ?」
私は私のすべき事をするとかいいそう……
「あぁ、その場合は君達はその護衛に当たってくれ」
「はい」
「じゃ、行ってらっしゃい」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
元帥探しの道のりには甘くなかった
次々にAKUMAが邪魔をしてきて中々前に進めず……そして元帥の居場所を目前に私達はAKUMAに囲まれてしまったのだ
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