その花の香りに酔う前に……

□第一夜前編 土翁と空夜のアリア
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「ロウ……?」





ある日の朝、目覚めるとロウがいなかった





「どこ行ったんだか……あ、もうこの時間ユウの朝練終わっちゃったなぁ」





(この時間だと食堂かな?)

急いで身支度をし、自室を後にした









 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇









「ロウーーー!!」





食堂へ向かいながらも声を出すが全くロウが出てくる気配は無い





「ロー……って、へ?」





急に曲がり角から金色の丸っこいのに羽が生えた生物(?)が目の前に現れた

(カワイイ……けどまたコムイがつくった変なヤツだったら……)

恐る恐る手をのばしてみる





「もぅ、ティムキャンピー!あんまり早く飛んでかないで下さいよー」

「えっ?あ、ロウ!」






見たことの無い白髪の少年と共にロウが同じく曲がり角からやってきた





「この子、ロウっていうんですか?」

「うん」





すっ、と右腕を出してやると少年の肩からそこへ飛んできた

(この子……右腕が赤い……)





「君は?もしかして例の新人エクソシスト?」

「あ、はい!!僕、アレン・ウォーカーといいます。この子はティムキャンピー」

「私は櫻井ミサキ」





(やっぱり。昨日ユウとケンカした子だ)






「ミサキもエクソシスト何ですか?」

「ええ、この子が対AKUMA武器」

「へ!?」

「あ、対AKUMA獣を見るのは初めて?」







他愛のない話をしながら私とアレンは食堂へ向かった






 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇






(あ、ユウいる……)

食堂の隅のほうにユウを見つけた





「あ、おはよう##HAME1##♪今日は何食べる?」

「サンドイッチ下さい。中身はお任せします」

「おっけー……ん、アラん!?」





アレンを見た瞬間、ジェリーの目が光った

(あ、そいえばアレンってジェリーの好みのタイプかも)





「新入りさん?んまー、これはまた可愛い子が入ったわねー!」

「ど、どうもはじめまして……」

「何食べる?何でも作っちゃうわよアタシ!」





コクン、と促すように私もうなずく





「それじゃぁ……グラタンとポテトとドライカレーとマーボー豆腐とビーフシチューとミートパイとカルパッチョとナシゴレンとチキンにポテトサラダとスコーンとクッパにトムヤンクンとライス。あとデザートにマンゴープリンとみたらし団子二十本で」

「わーお……」

「あんたそんなに食べんの!!!?」





さすがのジェリーも驚いていた

(このほっそい体のどこに入るんだか?)





「何だとコラァ!」





その時、食堂に怒声が響いた


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