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□好きと好きと大好き
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「ハル?」
今日は土曜日 学校もなく、暇を持て余した俺は幼馴染みの七瀬遙の家に来ていた
約束はしてないけど、なんとなく来ても普通に迎え入れてくれるハルに俺は甘えてしまい、ちょくちょくこんなことをしている
ハルの家のチャイムを鳴らす
そうだろうと思ったが返答はない
「はぁ...またかな」
そして、裏の勝手口を開けた俺は靴を持ち中に入った
「ハルー?」
7割がた風呂場だとは思うのだが、一応声をかけてみる
やはり、返事はない
靴を玄関に置いてから洗面所へ向かうと、案の定転がっているハルのジャージを発見
「ハル?開けるよ?」
言ったり言わなかったりの断りの言葉
扉を開けると、
「めずらし...」
浴槽で水着姿のハルが寝ていた
「ハル、風邪引くよ?起きて」
水風呂で寝るのは体によくないので、ハルをゆすり起こすことにする
あと、ハルが寝てると俺が暇です
いや、半分は冗談だけどさ
「ん...ん、真琴......?」
「おはよ、ハル、こんなとこで寝ちゃだめだよ」
「...うん」
ぼーっとしたままハルは水面を見つめている
「鯖」
「うん、鯖ね。風呂出てからね?」
「うん...」
「ハール」
「起きてるって」
会話をしながらも、ハルは顔を上げず水面を見つめたまま
まったくじれったいなハルは
恐らく覚醒しきっていない頭をはっきりさせるため、俺はハルの顎を持ちこちらを向かせると、少し開いたままの唇に口づけた
開いていることをいいことに舌をハルの口内へ滑り込ませると、ハルの舌を絡ませ歯列をなぞってやる
「ふ...ッん、ぅ...ぁ」
舌を甘噛みしたら、ようやく目が覚めたようで、
「は...ッ、ま...こ、っぅ、ァ」
涙目で俺の方を睨んできた
まぁ、可愛いだけなんだけど
自覚はまったくもってないんだろうなぁ...
「おはよ、ハルちゃん」
「は、ぁ...っ、だから、ちゃん付けはやめろって言って...じゃなくて、っ...何すんだバカ」
「目覚めのキス?」
「んな濃い目覚めのキスがあるか」
「はいはい」
ちゅっ
「これで満足?遙」
触れるだけのキスをしてから、あまり呼ばない名前を呼ぶと、ハルは少し視線をさ迷わせてから俯いてしまった
「ハル、鯖食べるんでしょ?行こ」
「....あぁ」