2人の関係
□エピソード5
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南side
俺の目の前には
泣いている敦子の姿があった
俺はそんな敦子を見ても
どうすることもできなかった
いつもは優しく声をかけているが
今はそんなことはできない
俺が敦子を傷つけたから
俺は思ってもないことを言って
敦子を傷つけた
本当は今でも敦子が好きだ
今すぐに抱きしめたいくらいに
でも、そしたら敦子も宮澤も傷つける
だから、俺は
敦子が俺を嫌いになるように
敦子を傷つけた
俺が敦子のことを好きにならなければ
こんなことにはならなかったのにな
まあ、今更後悔しても
意味がない
なら、もっと嫌われよう
もう2度と話さないようにするために
敦子は泣きながら
ものすごくか細い声で俺に言った
敦「南は本当にそんなこと思ってるの?
私たちの思い出も嘘だったの?
南は私のことをどう思ってたの?
ねぇ、教えて..... 」
俺がそんなこと思ってるわけないだろ
俺と敦子の思い出は全部本当だよ
そして俺は敦子のことが好きだ
俺はこう言えばよかったのかもしれない
でも.....
南「敦子、俺はお前のことを
他人としか思ったことがない」
俺、最低だな.....
その言葉を聞いて敦子は
敦「そっか
私だけだったんだね
南を特別に思ってたことは
今までありがとうね..... 」
そう言って敦子は屋上を出た
思い通りになったのに俺は喜べなかった
俺の胸には大きな穴があいた