残された時間

□思い出のほとんど
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もうあの日から、3ヶ月もたっていた






3ヶ月は遅いようでとても早く過ぎ去っていった






今日も学校に来て、教室を入ると





窓際の席にいるぼーっとしたあっちゃんがいた





あの日から、あっちゃんはずっとあんな感じだ





このごろは、あっちゃんの笑った顔も見ていない






確かにショックなのもわかるけど





もう3ヶ月もたっている






そろそろ忘れた方がいいと思うけど……………




























キーンコーンカーンコーン





授業を終わらせるチャイムがなり、あっちゃんはいつも通りさっさと準備を済ませ、教室を出た








私もあっちゃんと話したいと思い、さっさと準備を済ませ教室を出た







靴箱であっちゃんを誘ってどこかに行こうとしたけど、靴箱にあっちゃんの姿はなかった







でも、私にはそんなこと気にする必要はなかった






あっちゃんはあの日から学校から、絶対あの場所に行っている








そして、私はその場所へ向かった






10分くらい歩いて、その場所に着くと





私の思ったとおり、あっちゃんの姿があった





そのあっちゃんの表情は、どこか悲しい表情だった






そうここは、あっちゃんと南の思い出の公園





2人の思い出がたくさん詰まっていると思う






だから、多分あっちゃんはここに南が戻ってくると思って待っているんだろう…………







私は、悲しげな表情をしたあっちゃんに、笑顔で近寄った





「あっちゃーーん」





私が手を振りながら近寄ると





あっちゃんも笑顔でこっちに手を振ってきた





でも、その笑顔はありのままの笑顔ではなかった





そんなことを気づいていないふりをして、あっちゃんの隣に座った






あ「陽菜、どうしたの?こんなとこに来たの?」






「いやー、ちょっと世間話をしようと思って」




笑いながらそう言ったら、





あ「本当のこと言って!」




少し強めのあっちゃんの声がきて、びっくりした





しかし、どうやら私の考えがわかっているようだ





だから、私はストレートに言った





「あっちゃんは、なんで毎日まだこんなとこに来ているの?」





すると、あっちゃんは何も言わなかった





「確かにショックだったのはわかるけど、もう南はもう戻ってこないんだよ!」




だけど、あっちゃんはまだ何も言わず





「南のことを好きだったのは、わかるけどただの彼氏だよ




まだ、いい人に出会えるよ」





私が優しくあっちゃんに言いかけると






あ「ただの彼氏じゃない…」





「えっ?何て?」





あっちゃんの声が小さく私は聞き取れなかった






あ「私にとって南はただの彼氏なんかじゃない!」




大きな声で言うあっちゃんの目には大量の涙が流れていた





そして、少し落ち着いて




あ「陽菜には、話してなかったけど、私中学の頃、友達いなかったんだ




だから、高校でも1人でずっといると思っていた




そして、思ったとおり皆の輪に入れず1人になった





でも、そんな私に南は声をかけてくれた




そして、私が1人でいるといつも隣にいてくれたり、皆のもとに連れていってくれた




だから、私にはたくさんの友達ができた




今の私があるのは南のおかげ




そして、私の楽しい思い出のほとんどには南がいる


だから、私にとって南はただの彼氏なんかじゃない」





私は、この話を聞いて何も言うことができなかった





そして、泣いているあっちゃんを優しく抱きしめた







ねぇ……南…………





何でこんなに南のことを好きなあっちゃんと別れようとしたの………






今でも、南はあっちゃんのことが好きなんじゃないの?………

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