残された時間

□最後に
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バタン




はぁ〜





何やってんだよ!俺は!






ずっと敦子を守りたいと思ってたのに





なんだよさっきのさまは………






敦子を守るどころか傷つけてんじゃないかよ…………





バンッ




クソ!なんて最低なやつなんだ俺は!





目を閉じると




泣いていた敦子を顔を思い出す





「敦子……………」







もう終わったんだ………






今さら後悔しても意味がない







でも…………………





「ずっと敦子を守りたい」






もうそんなことできないとわかってるけれど………





忘れられない







でも、俺は敦子のそばにいてはいけない






だから、忘れないといけない






敦子のためにも……………










































ガチャガチャ





パタン







「ああ、この家とも今日でお別れか……」





ほんと、今考えればたくさんのことがあったな





楽しいこともあったし、つらいこともあった






「今まで、ありがとうございました!」





俺は一礼して、病院にむかった






これからは、切り替えていこう





そう思った瞬間






あ「待って!南!」





ここで聞こえるはずのない声がした





俺はふりかえらずに真っ直ぐ前を向いて歩いた





すると、足音がどんどん大きくなってきた






そして、





あ「南、待って!」





そう言って俺の肩を掴んできた






この瞬間、俺はさっきした決意なども忘れ





もうこの思いを抑えることができなかった





「敦子!」




そう言って俺は強く抱きしめた





あ「南…………」




敦子は最初はとまどっていたが、そのあと俺の後ろに手をまわしたきた






そして、しばらくした後




俺は敦子の肩をもって目を見て言った






「敦子、俺はお前のことが好きだ!




でも、もう敦子の隣にいることはできない」






あ「なんで……………?」






敦子は少し泣きそうになっていた






俺はそんな敦子にキスをした






そして、




「ごめんな 敦子



俺はお前との約束を守ることができない




だから、これでもう会うのは最後だ」




そう言うと、敦子の頬に涙がついていた





そんな敦子にむかって俺は




「おいおい泣くなよ敦子




最後くらいお前の笑った顔を見せてくれよ」




すると、敦子は泣きながら笑った






そして、







「じゃあな、敦子」







そう言って俺は足早く歩いた








気がついたら、俺の頬にもたくさんの雫がついていた

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