残された時間

□約束
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南の言葉を聞いて





俺はみなみに何も言うことができなかった





本当最低だな……





こういうときには、俺が何か言わないといけないのに





みなみが言ったことが信じられなくて………





気がつけば、俺の頬に涙がついていた






ははぁ 何で俺が泣いてんだよ





みなみが1番泣きたいと思うのに





そして、しばらくの沈黙のあと






みなみが口を開いた




み「優、一つお願いがある」




みなみはものすごい落ち着いた声で言った




「なんだよ お願いって?」





すると、みなみはこちらを向いて





み「敦子にはこのことを言わないでくれ」




みなみのお願いは俺の予想とは違っていた



そして





「おい!何であっちゃんには言わないんだよ!




お前ら、付き合ってるんじゃないのかよ!」




俺は、みなみの言っていることにいらついた




普通、そういう大事なことは彼女に言って当たり前だろ





少し声を荒げて言ったら





みなみも声を荒げて




み「そんなことはわかってるよ!



でも、敦子に言ったら





俺は絶対敦子に迷惑をかける





敦子は優しいから多分俺のそばにいてくれる




だから……… 頼む…………」




みなみの声はどんどん小さくなっていった




その声は身をけずるかのようだった





確かにみなみの言うことも理解できた




俺もみなみと同じ立場だったら





陽菜に言わないかもしれない







そして、考えた末に






「わかった……………




あっちゃんは俺と陽菜で支える」





そう言って俺は病室を出た

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