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□エピソード1
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それは異性の人を好きになること


ほとんどの女子高校生なら多分してるんだと思う


でも、私は今まで生きてきて恋をしたことがない


別に恋に興味がないとかそういうことじゃない


普通に男子と話したりだって付き合ってみたいなんて思ったりもするし告白もされたこともある


だけど、今まで誰かに恋したことはないんだ…………









桜が咲きたくさんの出会いに溢れるこの4月


私は今まで暮らしていた故郷から引っ越し新しい地にいた


全く新しい環境ということでとても緊張する


(正直、楽しみなんだけど不安だな)

そんな複雑な気持ちを抱えたまま新しい学校についた


「ここが新しい学校かぁ……」


前のいた学校と違って少し綺麗ではなかった


(まぁ、それはしょうがないか)


そんなことはあまり気にしないようにした


「すぅー はぁー よし!行こう」


門の前で1度深呼吸をしてはいった


私は指定された場所に行こうと場所が書いてあるプリントを探した


「んぅー あれ?ここに入れたはずなんだけど」


だけど、バッグの中にはなかった


しばらく探して、私はあることを思い出した


………………………………………


「えーっと、ここを曲がってここをまっすぐ行きこの部屋に入る」


私は地図のプリントを見ていた


「唯香ー 遅れるよー」


「分かってるよ お母さん」


そう言ってプリントを机の上に置いて部屋をでた


………………………………………


(ああ、しまったぁーーー 机の上に置いてきたー)


そんな状況でどうしようかと考えていたら時計はすっかり決まっていた時間を5分過ぎていた


(あぁーー 初日から遅刻なんてどうしよう)


落ち込んで門のとこで頭を下げ座ってどうしようか考えていると


いきなり肩をトントンとたたかれた


そして、前を見ると背の高い男の人がいた


その男の人は私の顔を見て

「君が百地 唯香さん?」


「はい、そうですけど」


すると、その男の人は笑って


「君が百地唯香さんかー

俺は君の担任の三浦

これからよろしくね」


そして、三浦先生と握手をした


(この人が担任かー 高校生かと思った それにかっこいいし生徒にモテるんだろうなぁー)


「よろしくお願いします」


握手も終わり


「じゃあ、そろそろ行こっか」


そうして、三浦先生が歩き始めたのでわたしもついていった


三浦先生が待合室に入っていって、そこのソファに座るように言われた


その待合室はとても豪華だった


(あれ……… また緊張してきた)


気をまぎらわせるために周りを見ながわそわそわしていると


「やっぱ緊張してる?

さっきから落ち着いてないけど」


三浦先生は心配そうに聞いてきた


「まあ、正直に言うと」


少し恥ずかしなりながら言った


「なら、俺と一緒だね


俺も実は今日が初めての通勤なんだよ」

私に笑顔で微笑むように言った


(なんか三浦先生といると落ち着くなぁ)

ふと私はそう思った


すると、さっきまでの緊張がなくなっていた


そして、先生の笑顔につられて私も笑顔になっていた

「先生はいい先生になりますよ きっと」


「ありがとう」


そう言う先生は頭をかいて少し照れていた


(なんかかわいいなぁ)


そして、先生と色々話し時間がきた

「じゃあ、そろそろ行こっか」


私も席をたち待合室をでた

どんどん教室に近づくたびにまた緊張がもどってきた

いよいよ教室の前についた


私の緊張もピークに達していた

(ドクン ドクン あーどうしよ ヤバイかも………)


そうすると三浦先生は私の様子に気づいたのか


「百地さん 深呼吸しよう」

先生はドアの前で深呼吸をした


わたしはそんな先生を見ていると

「百地さんも早く」

そう言われ私も深呼吸をした

深呼吸をしたからか少し緊張がほぐれた

(多分私のためにやってくれてたんだろう ほんと優しいなー)



「ふー よし!」

そう気合をいれて先生はドアを開けた


「おはよーう」

先生は笑顔で挨拶をして入った


横から見る先生の顔はさっきとは違って頼もしかった

(本当は緊張してるはずなのに先生はすごいなぁ)

純粋にそんな先生に尊敬した


すると、いよいよ私の番がきた

「じゃあ、新しくこの学校に来た仲間を今から紹介します 入ってー」


私はドキドキのなか教室に入った


そして、先生の隣に行き目の前を見るとたくさんの視線がこっちに向けられていた


緊張はしたが、どうしようもないので私は言った

「私は百地 唯香です。

親の用事でこっちの方へ引っ越してきました

まだここのことはあまり分からないので迷惑かかるかもしれませんがよろしくお願いします。」


自分のなかでは、最高の笑顔をつかって言った


その効果もあってかどうやら印象はよかったようだった


「じゃあ、百地はあそこの席に座って」


そうして、私はその席に向かった


私は指示された席にすわった

「じゃあ、これから一年間よろしくね」


そうして、先生は教室をでていった


次の時間では、委員会決めがありそれまで休憩となった

(しかし……何にもすることがないなぁ……)


次の授業までは、だいたい20分くらいあった

(どうしよ〜〜)

そう1人で悩んでいるとき

「百地さん」

右隣の方から名前を呼ばれたので私はそっちを向いた


「私は田辺 理央 1年間よろしくね」


「うん、よろしく」

そうして、私は田辺さんと握手をした

(よかった……これで1人はなくなった)

私は少し落ち着いた


そして、しばらく話していたら

「百地さん、周りの席の人にはきちんと挨拶してた方がいいよ」


「うん そうだね」

そして、私は田辺さんと話すをやめ前の席の人に話しかけた


「 1年間よろしくね」


「うん よろしくねー」

相手が女子と言うことで気軽に話せた


(よかったあ いい人で)

次は、隣の男子話しかけようとした

その男子はとても顔立ちがよく俗にいうイケメンだった

そういうわけですこし緊張した

「1年間よろしくね」

すると、隣の男子はこっちを見て頭を下げるだけだった


(目の前からみて確かにかっこいいと思ったけど…)


「愛想わるいなぁ」

すると、隣の男子はこっちを見てきた


(あーやってしまった つい言ってしまった)

私には昔から思ったことを無意識に言う癖があり、それで前の学校でも何回かトラブルにあった


(初日早々、嫌われるよぉー)

ところが後ろから

「はっはっはっはっあ」

大きな笑い声が聞こえてきた

すると、後ろの人は私の方を見て

「百地さんっておもしろいね 秀にそんなこというなんてこの学校で1人だけだよ

まあ、確かにその気持ちもわかるけどね

それと俺は吉野 龍

百地さんの隣の山田の幼馴染 よろしくねー」

ものすごい笑顔で言ってきた

(何か明るい人だな)

それより、私はさっきのことが聞かれたことを思い出し山田君を見たけどこっちを見ておらずずっと窓の外を眺めていた


(多分…聞こえたてだろう)

ふと心の中で思った

なので、そのあとの授業はほとんど記憶になかった


そして、授業も終わりほとんどの人が帰りはじめた

(山田君に今日中までに謝っておきたいな)


すると、山田君も帰ろうとしたので私は声をかけた

「山田君」

山田君は何も言わずにこっちをむいた

「さっきはゴメン 私山田君のこと何も知らないのにひどいこと言った」

山田君は無表情で

「そんなことはいいよ 別に誰にどう思われようがどうでもいいよ」

私はなぜそんなことを言うのかわからなかった


「何でそんなこと言うの?」


「仲良くなったら、別れるのがつらくなるだろ それなら仲良くならない方がいい」

冷たく言い放った

(そんなのおかしいよ……)

だけど、山田君はどこか悲しそうな顔をしていて私は何も言い返せなかった

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