あなたのために

□あなたのために10
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『たかみなは私のこと好きだったの?………』





敦子は絞りたすような声で聞いてきた





敦子の顔にはたくさんよ雫がついていた





そんな敦子を見ると私は何て答えればいいかわからなかった






何を言っても傷つけるような気がした





でもやっぱり……




本当の私の気持ちを伝えた方がいい




そして私は決心した




「好きだよ」




力強く敦子の目を見て言った




『えっ……』




敦子は言葉を失っていた




『じゃあ、何で好きなら



別れようと言ったの? 』




敦子は冷静に私に聞いてきた




私はきちんと伝えて方がいいと思い




「それは………



敦子に迷惑をかけると思ったから」




『えっ……』




「敦子が卒業してから


今までは毎日会えてたのが




ほとんど会えなくなって





ずっとメールか電話で連絡したよね




でも、敦子に会わない間に




テレビに出ている敦子とか見ると



すごいな〜と思ったりした




でも、その反面悲しい気持ちでもあった




なんか敦子が離れていくようで



それでずっとそんな日々が続いて



なんか私なんかが敦子と一緒に




いたらいけないと思った





だから、別れようといった」




私が全てを話すと敦子は




『それって私のためを思ってくれたの?』




「えっ?」



『だってたかみなは私のことを考えて




別れようと決断したんでしょ




だったら、私は嬉しいよ』




そう私に笑顔で語りかけた




「敦子…………」




私は久々の敦子の笑顔に




涙が流してしまった




そんな私を敦子は優しく抱きしめてくれた




『たかみな、私のことを考えてくれてありがとう





たかみなは本当に優しいよね




だから、たかみな




私のことを考えてくれてるなら




私の願いを聞いて




もう私から離れないって




私のために 」




「敦子ぉぉ」



そう言って私はおもいっきり抱きしめた





『もぉー たかみな痛いよー』




そう笑ながら敦子は言った

























































敦子………………





私は何度もひどいことをしたね





でも、その度に敦子は許してくれる






私はそんな敦子が大好き









だから、これからは





自分のために…




そして敦子のためにも………




もう絶対に離れない























だから………








敦子…………














一緒に幸せになろう









END

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