あなたのために

□あなたのために8
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はぁはぁはぁ




バタッ




目の前にはベッドで寝ている敦子がいた





「敦子っ 敦子っ」




敦子は何も言っても起きなかった






ガラッ





扉の方を見ると麻里子様がいた





『あー、みなみやっと来たね』





そう言う麻里子様の声は明るかった





そんな声に私は少し安心した




「麻里子様、敦子は?」





『あー、敦子は働きすぎだって




それにあんまりご飯も食べてなかったみたい





さっきまでは起きてたんだけどねー』




働きすぎだったのか





よかった おおごとじゃなくて






私は安心して病室を出ようとしたら





『みなみ、何で敦子と別れたの?』




「えっ?」





私は麻里子様が知っていたことに驚いた




『ごめん、さっき敦子から聞いた



こないだの様子をみておかしいと思って





それで敦子に聞いたら教えてくれたの』




「そうだったんすか………」





『ごめん、勝手に聞いちゃって』





「別にいいですけど……」





少しの間沈黙が流れた





そして




『みなみ、敦子のこと嫌い?』




「えっ?」




私は突然のことに驚いた





『だって、嫌いだから別れたんでしょ』




「…………」




私は何も言い返せなかった






敦子のことを嫌いになったことなんて一回もないけど







それを口にだしてしまうと忘れることができなくなるから………





すると、何もかも見透かしたように



『みなみはまだ敦子のことが好きなんでしょ




何で別れたかは知らないけど




多分、敦子のためを思ってやったことだと思う




だから、敦子にほんとの気持ち伝えてもいいんじゃない』




と優しく私に言った




「麻里子様……」





私はそれを聞いて涙が出た





すると、麻里子様は優しく抱きしめてくれた




























麻里子様……… 私……………





本当の気持ちを伝えます

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