あなたのために

□あなたのために5
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『ねぇー、もう皆集まってるかな〜』




「うーん… もう集まってるっしょ」



私は、にゃんにゃんと



みんなのもとへむかっている




仕事があってみんなよりも遅れている



『そしたら、早く行かないとねー』



にゃんにゃんはそう言いつつも



歩くスピードは変わらなかった




そして、ゆっくり歩きながら



店にむかった




























『あー、たかみなー



やっと来たねーー』



麻里子様が私たちをむかいいれてくれた



そして、私たちは空いている席に座った




私たちが到着したときには




もう全員がそろっていた





もちろん敦子も………





『全員揃ったことだし




もう一回乾杯でもしようか』



麻里子様が言って




みんなで乾杯をした



私は今日、少し緊張していた





あの日から、敦子に会うのは初めてだった




だから、何て話せばいいか




どんな顔をして話せばいいか





私にはわからなかった




なので私はなるべく



敦子としゃべらないように決めた




そして、私は麻里子様やにゃんにゃんと喋った




敦子は、友やみぃちゃんと喋っていた





友たちと喋っている敦子は




笑顔でいたけれど




私はなぜか無理しているように見えた




でも、私にどうしたのかを聞くことはできなかった……











時間もたち、みんな帰る準備をしていた




私も帰る準備をしていた




そして、みんなの準備も終わり



店を出て解散した





そして



私が1人で歩いて帰ろうとしたとき




『たかみな』




久しぶりに私を呼ぶ声がした




まだ3日しかたってないのに




もう一ヶ月以上聞いてなかったように感じる




でも、そんな思いを表にださず




「どうしたの?」



と冷静に聞きかえした




すると、敦子は



鞄の中から何かを取り出し



私の目の前に出した




敦子が持っていたのは私の家の鍵だった




『付き合ってもないのに


これも持っとくのはおかしいと思って』



そう明るい表情で言ってきた




でも、敦子は何か無理してるように見えた




私は敦子に何も言うことができず




ありがとうとだけ言って鍵を受け取った




そして、少しの沈黙のあと



笑顔でじゃあねと言って帰って行った




帰っていく敦子の後ろ姿をみて




なぜか私は心配になった


















私は正直



敦子にまた付き合いたいと言われると思っていた





でも、現実はそんなに甘くはなかった




現実はもっとひどいものだった




私たちの最後のつながりを……





もう私たちをつなげるものはなくなった




これでどうしようもなくなった






前の関係に戻りたいと思っても





もう戻れない……






私は鍵を握りしめながら家へ帰った

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