マスルールさんが格好良すぎる件
□プレゼントですか!?
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「マスルール、ちょっといいですか。」
「何スか。」
廊下を歩いているとジャーファルさんに呼び止められた。
まぁどうせ暇だったしいいか。
「申し訳ないのですが少し頼まれてくれませんか。」
「はぁ。」
何をすればいいのか尋ねると、市場で買い物をしてきてほしいとの事だった。
「ここに書いてある店に行って、このメモを見せれば店主が持ってきてくれますから。お金はこの袋に入っています。余ったら好きなものを買っていいですよ。」
「はぁ。」
そう言われて市場に行き、目的の店へ行った帰り。
思ったよりも沢山余ってしまった金を持って、ジャーファルさんに返せばいいか。と思っていた時だった。
横の方から聞きなれた声が聞こえてきた。
『えー!もうちょっとまけてくださいよー!!私今月ピンチなんですー!!』
「いやいや、俺お姉さんの事知ってるよ?お姉さん王宮の偉い魔導師さんじゃないの。いい給料貰ってるだろ?」
『地位とか関係ないんですー!!給料は飲み代と研究費でぶっ飛んだんですよー!!』
「飲み代と研究費って・・・年頃の娘がそんな金の使い方するもんじゃないよ・・・。」
『しょうがないじゃないですか!もうちょっとくらいまけてくださいよー・・・!』
「とは言ってももうかなりギリギリの値段だからなぁー・・・。」
値切っていた。ソプラさんが。ものすごい勢いで値切っていた。
こういう時の女性はすごいんだぞ!と昔シンさんに教えてもらったことがあったな。
「・・・・・。」
『ほら!私お金あとこれだけしかないんですよー!!まけてくださいよー!!』
「いやでもなぁー・・・。」
「あといくらッスか。」
『うぇ!?うわっマスルールさん!?なんでここに!!ていうかいいですよ!!おじさんにまけてもらいますから!』
「いやお姉さん?俺まけるなんて言ってないよ?どっから来るのその自信。」
「で、あといくらッスか。」
「あんたマスルール様じゃねぇか!・・・いいんですか?そこのお姉さんの事無視して。悲しそうだけど。」
「いいんで。これで足りますか。」
『うわああああマスルールさんいいですって!!!おじさんがまけてくれるらしいです!!』
「あ、足りますよ。・・・いやだから俺そんな事言ってないよ?人の話聞いてるのお姉さん。無視されるとおじさん悲しい。」
「じゃあこれで。お騒がせしてすいませんっした。ほら行きますよソプラさん。」
『何さらっとお金払ってくれちゃったんですかマスルールさん!!来月の給料で返します!!』
「はいまいどあり。お姉さん・・・そこは素直に奢られときなよ・・・。」
『ダメなんですよ!!あ、私お姉さんじゃなくてソプラです。また来ますねー!』
余った金でソプラさんの値切っていた商品の代金を払った。
俺の金じゃないしジャーファルさんも使っていいって言っていたのでまぁいいだろう。
問題は隣で騒いでるソプラさんだ。
『絶ッッッッ対返しますから!!来月!!』
「いいっすよ。これ俺の金じゃないんで。」
『いや尚更ダメじゃないですか!?』
「ジャーファルさんに買い物頼まれて。」
『まさかそのお金・・・!』
「余った金、自由に使えって言われたんで。」
『あぁ・・・ってことはマスルールさんのお金じゃないですか!!』
返しますから!と叫ぶソプラさん。
どうせジャーファルさんに返そうと思っていた金だし返されても困る。
「俺が自由に使っただけッスから。」
『でも・・・!』
「プレゼント?ッスよ、それ。」
『ま、マスルールさん・・・っ!!』
09 プレゼントですか!?
(マスルール、ありがとうございました。欲しいものありましたか?)
(いや・・・特に。)
(じゃあ何に使ったんですか?)
(ちょっと・・・ソプラさんが・・・)
(ソプラに!?プレゼントか!?)
(黙りなさい、シン)