Samson girl!

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「アイツめっちゃ強ェじゃねぇかァァァァァァァアアアアア!!!」

そげキングの絶叫が聞こえるんだが、おれは最初っから強いぞって言ったじゃん。


『生憎こっちには時間がないんでね、お前もさっさと片付けさせてもらうぜ?』

「カクの奴みてぇにすぐ負けたりはしねぇさ・・・。」

『どうだかな。』

そんな軽口を交わしていると瓦礫の中から声が聞こえてきた。

「勝手にやられた事にされると困るのう。」

『げ、生きてたのかキリン・・・。』

瓦礫の中から出てきたのは今おれが倒したと思っていたキリンだった。

「少し侮っていた。じゃがそんな付け焼刃の"六式"に敗けるようではCP9は務まらんわい。」

『おれのは"六式"とやらじゃねェっつーの。』

「なんだカク、言い訳か!?こいつはおれが殺るからテメェはもう下がってろ。」

「なんじゃと・・・」

また言い合いが始まりそうになった時、どこからか放送のようなものが聞こえてきた。


《おいっ!おいっ!・・・畜生しまったこっちだ子電伝虫は!!何て事を!!うっかりした!!よりによって"ゴールデン電伝虫"を押しちまった!!》


『あ?これあのカスマスクの声か?』


《よりによって・・・バスターコールをかけちまったァァァァァ!!!!!》

聞こえてきたのはあのくそうぜぇカスマスクの声。

しかもバスターコールをかけたとか言い出す。こいつ頭大丈夫か。どうやったら間違えてバスターコールをかける状況になるんだ。

《バカなことを!!今すぐ取り消しなさい!!!大変な事態になるわ!》


「ロビンの声だ!」


《何をォ!?取り消しなさいィ!?・・・・・オイオイ誰に口を利いてんだてめェはァ!!ワハハハ!結構じゃねェか"バスターコール"!!何が悪い!?

そうさ・・・いいじゃねぇかおれはサイファーポールNo9の長官だぞ。貴様を無事政府へと受け渡すため"バスターコール"をかけた!!それでいいじゃねぇか。

万が一ここで何が起きようとも!!最終的には海賊共を確実に皆殺しにできるんだ!!》

《バカなことを!!言った筈よ!それだけでは済まない!!あの攻撃に人の感情なんてないわ!!この"エニエスロビーにある全ての物を焼き尽くす!

建物も!人も!!島そのものも・・・!!何もかも犠牲にして目的を達成する悪魔のような集中砲火!それが"バスターコール"よ!》


『ニコ・ロビン・・・』

放送からはカスマスクの声と言い合いをするニコ・ロビンの必死の叫びも聞こえてきた。


《あァ結構・・・政府にとってもそれだけのヤマだって事さ・・・。カティ・フラムのバカがプルトンの設計図を燃やしちまった今。

お前の存在だけが古代兵器への手がかり。一時代をひっくり返す程の軍事力がかかってるんだ!そのお前を奪い去ろうとするバカ共を!

より確実に葬り去る為ならだたとえ兵士が何千人死のうとも栄えある未来のための仕方のねェ犠牲だ!!・・・何よりおれの出世もかかってるしなァ!!》

《人の命をなんだと思ってるの!?》

《忘れてくれるな、CP9とは政府の暗躍機関。1000人の命を救うために100人の死が必要ならば我々は迷わずその場で100人殺して見せる。

真の正義にゃ非情さも必要なのさ!そもそも侵入した海賊共を全く止められねェ能無しの兵士どもなど死んだ方がマシなんだ馬鹿野郎!》

《・・・・・・・・その子電伝虫"通話中"に・・・。》

《え!?うげェっ!!しまった!!今の会話つつぬけか!!??・・・・・・・・。そ・・・そんなわけでおれの名は麦わらのルフィだ》


『ばっかじゃねェのアイツ。』


《全員島を離れて!!エニエス・ロビーに"バスター・コール"がかかった!!島にいたら誰も助からないわ!!》

《余計な事言ってんじゃねェよ!!》

《あァっ!!!》

ニコ・ロビンの悲鳴と共にバキィ!っと殴る音、そして倒れこむ音が聞こえて放送は切れた。


「バスターコールがかかったらしいわい・・・・・・」

「何をしとるんだあの男は・・・・・。」

「・・・何やらやばいらしいぜ。」

「やばいのはおれだァァァァァ!!!」

『え!?そげキングいつの間に刀になったんだ!?カッケェな!!』

おれがあいつらと戦ってる間に緑虫のアイデアで戦う準備万端の緑虫達。


「おれ達もグズグズしちゃおれんぞ。」

「さっさと片付けて"正義の門"へ急がにゃあな。」

「ひらめいた・・・!!お前の名前は名刀"鼻嵐"。」

『おお!緑虫ネーミングセンスあるじゃねェか。』

「いい名前つけとる場合かァァァァ!!!」


緑虫達も参戦したところでおれ達はまた戦い始めた。

さっきはあいつ等も油断していた事もあってうまくいったがこう警戒されているとうまく決まらない。

しかもおれが覚えてて使えるのは"閃"と"硬"だけであとは忘れた。

まぁこいつらの技を見てれば思い出せるかもしれねェし、これを真似すればいいんだろうけどそれじゃあやっぱりあいつらの方が上だ。


『チッ!埒が明かねェ!!』


その時だった。急に巨大な生物が部屋に現れておれ達を襲い始めた。

「ぎゃあああああ!!やめろぉぉぉぉぉ!!!」

『おいあれってもしかしてお前らと一緒にいたゴリラじゃねェのか!?』

「多分そうだ!だがなんでおれ達がわからねェ!?本当にチョッパーか!?」

「知らねェがチョッパーだろ、あの帽子と角でほかに誰がいるってんだよ!!」

『ああいう変身できる能力者じゃねェのか!?』

「知らねェよ!!少なくともおれ達は見た事ねェ!」

「じゃあおれ達の"希望"は!?2番の鍵は!?」

「知らんもうだめだ、おれ達は死ぬんだー」

「だが様子がおかしいぞ・・・。死にそうなのは・・・あいつの方じゃねェか?」

『確かに・・・生命力がみるみる薄れてくようだ・・・。』

「どど・・・どういう事だ?」

「あの姿でいる事が途轍もねェエネルギーを食っちまうとか・・・!!放っとくと今にも力尽きそうだ。」

「なんだそりゃあ!アッチもコッチもどうすりゃいいんだよ!!」


その時、二人がゴリラに向かって攻撃しようと構えたのが見えた。

「チキショーあいつらチョッパーに!!!」

「背筋を伸ばせ名刀"鼻嵐"!!"三十六煩悩鳳"っ!!」

「はばべばふ!!!」

『一応今は仲間なんでな!!手ェ出すなよ!!』

緑虫の斬撃とおれの蹴りであいつらの攻撃は防いだ。

その時急にフランキーの声が聞こえてきた。

「どいてろお前らぁ!!」

「フランキー!!何する気だこいつァおれ達の・・・」

「わかってら!黙ってろ!!」

「対処法がほかに見つからねェんだ。"能力者"の弱点は一つ。海へ突き落す!!加減するんだ勘弁しろよ!!!・・・"風来・砲"!!」

そう言ってフランキーはゴリラに攻撃し、海に落とした。

「コノヤローフランキー!何を無茶な・・・」

そしてフランキーも海へ飛び込んだ。恐らくゴリラを引き上げに行ったんだろう。

「心配いらない。私とちゃんと打ち合わせたの。」

「え?」

『ナミ!!』

「元気そうで良かったわ、エレナ。ゾロ、そげキング!鍵よ。」

そう言ってナミは二人の手錠を外した。


「フフ・・・ようやく釈放か?」

「笑ってねェで後悔しろよ・・・もう二度と来ねェぞ。今みてェなおれを討ち取るチャンスはよ。"世界政府"!!」


『あれ・・・おれの獲物は・・・・・・。』



19 バスターコール
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