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□不安
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「聖川さんっ…!?」
突然倒れた真斗にトキヤは慌てて駆け寄って抱え起こした。
「大丈夫ですか…?」
「俺は…ST☆RISHなのか…?」
「え…?」
「俺の…パートが、ない…」
目眩を起こした理由であろう訳を話してはトキヤが"あ…"と言葉を漏らした。
「俺がそうしたんだ」
翔が真斗のパートをなくしたと名乗り出た。
「音也が怖がっているからだ」
「……」
訳を聞いて真斗は嘘だと瞳を潤ませていた。自分が混ざるだけでST☆RISHとしての音也は情緒不安定になってしまうというのだ。信じられないと言いたくとも声が出ない。
「イッキが大丈夫にならないと全部俺のパートになっちゃうよ、聖川?」
「それは、俺にどうこうできる問題なのか…?」
「音也くん、どうですか?」
「え、あ、うん…皆で練習しよう?」
話の流れにより6人で練習をしてみることになった。
「ギリ…ギ…な…」
「強引になる恋の衝動」
「ど……をえらぶ…」
「どっちを選ぶPrincess」
「待った」
「どうしたんです、レン?」
「イッキが歌えてない」
「ご、ゴメン…もう1回お願い!」
「仕方ねぇな、やるか!」
2回目は比較的歌えていたが、やはりぽつりぽつり言葉が切れてしまうようだった。
「どうですか〜?音也くん」
「うーん…微妙…。歌えるときもあるし外すときもあるし…」
「じゃあもう少し様子見してからまた皆で練習するかい?」
「うん…」
「だとさ、聖川」
「神宮寺…」
那月が質問して音也が微妙と答えるとST☆RISHとしての練習は先送りになった。
それからは音也のためにも真斗は一人で練習をした。