Main2

不安
1ページ/1ページ

「聖川さんっ…!?」


突然倒れた真斗にトキヤは慌てて駆け寄って抱え起こした。


「大丈夫ですか…?」

「俺は…ST☆RISHなのか…?」

「え…?」

「俺の…パートが、ない…」


目眩を起こした理由であろう訳を話してはトキヤが"あ…"と言葉を漏らした。


「俺がそうしたんだ」


翔が真斗のパートをなくしたと名乗り出た。


「音也が怖がっているからだ」

「……」


訳を聞いて真斗は嘘だと瞳を潤ませていた。自分が混ざるだけでST☆RISHとしての音也は情緒不安定になってしまうというのだ。信じられないと言いたくとも声が出ない。


「イッキが大丈夫にならないと全部俺のパートになっちゃうよ、聖川?」

「それは、俺にどうこうできる問題なのか…?」

「音也くん、どうですか?」

「え、あ、うん…皆で練習しよう?」


話の流れにより6人で練習をしてみることになった。


「ギリ…ギ…な…」

「強引になる恋の衝動」

「ど……をえらぶ…」
「どっちを選ぶPrincess」

「待った」

「どうしたんです、レン?」

「イッキが歌えてない」

「ご、ゴメン…もう1回お願い!」

「仕方ねぇな、やるか!」


2回目は比較的歌えていたが、やはりぽつりぽつり言葉が切れてしまうようだった。


「どうですか〜?音也くん」

「うーん…微妙…。歌えるときもあるし外すときもあるし…」

「じゃあもう少し様子見してからまた皆で練習するかい?」

「うん…」

「だとさ、聖川」

「神宮寺…」


那月が質問して音也が微妙と答えるとST☆RISHとしての練習は先送りになった。

それからは音也のためにも真斗は一人で練習をした。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ