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団体練習と個人練習
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トキヤから一通のメールが来た。


『明日の10時からST☆RISHの練習がありますのできてください』


練習には行きたいものの視線が怖いと思う真斗は行こうか悩んでいた。きっと行ったところで皆に冷たくされるのではと不安で仕方なかった。しばらく考えていては布団に潜っていたために行くか決めないまま寝入ってしまった。



翌日。
メンバーならば行かねばと思った真斗はジャージに着替えて必要なものをかばんに入れて小さなアリーナに向かう。着いて中に入るとすでにトキヤと音也がいた。


「おはようございます、聖川さん」

「あ、お…おはよう…」

「……」


トキヤはどうやらどちらの立場でもないようで普段のように挨拶をしてくれる。まさか挨拶をされると思わなかった真斗は慌てて返事するも音也は口も開かなかった。


「ふぁあ〜…ねみぃ…」

「翔ちゃん、朝練ですよ♪楽しみですね〜」

「確かに眠いね…」


翔が欠伸をしながら入ってくれば続いて那月とレンもそれぞれ何か言いながら入ってきた。


「あ、翔おはよう!」

「おう!」


先程まで口すら開かなかった音也が翔に挨拶をするとニッと笑いながら挨拶を返す。すると翔は真斗に気付いて音也にこそっと聞く。


「聖川来てるけど、平気なのか?」

「……」


翔の質問に顔を歪ませてフルフルと首を横に振る音也。


「聖川はどうするんだい?」


その様子を見ていたレンが真斗に向き直っては練習はどうするのかを聞いた。


「……一人で、いい…」

「聖川さん…」


ST☆RISHの仲を直したくて今回の練習を企画したトキヤだがどうやら失敗したようだ。


「え…真斗くんも一緒に」
「俺が混ざったら一十木が困るだろう」

那月の言葉が終わる前に言葉を重ねて反論しては部屋の隅に移動してしまった真斗に那月は困惑した。


「いいんじゃねぇの?聖川自身がそう言ってんだからさ」

「翔…」


トキヤと全く反対の意見を持っている翔を宥めるのにまだ少し時間が掛かると思ったトキヤと那月。仕方なく真斗抜きの5人でのダンスレッスンが始まった。それを陰で見ていた真斗は自分とペアのレンのパートを聴いて目を見開いた。


(俺の歌うパートが…ない…)


真斗の歌う箇所までもレンが歌って踊る姿に真斗は目眩を覚えてその場にフラッと倒れてしまった。



続く。

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