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□新事実
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「まぁ手始めに一昨日の状況確認ね、まず寧々から」


Aクラス全員のアリバイ調査が始まり、指名された松原は驚いて目を丸くしている。


「あ、えっと…勉強をしていたら音楽ノートが切れてしまったので夜中にSAOTOMATEに行きました。帰る途中に後ろから気配がしたので振り向いたら…」

「だそうよ。まさかいないと思うけど目撃した人いる?」


松原が出来事を話し、目撃者がいるか確かめたがクラスはシーンと静まった。


「次、聖川くん」


2番目は俺だった。朝まで"あんた"だったが、あれは怒っているときのみみたいだ。今の秋村からは怒りの感情は感じられない。


「俺は一昨日は気分を悪くしていたため夜風にあたるため外へ出た。」

「そういえばマサは体調悪くて保健室に行ってたような…」

「あ、僕が連れて行きました」


俺が一昨日の出来事を話し出した時、一十木が口を挟み、四ノ宮も思い出したようで小さく手を上げながら補足する。


「部屋へ戻っても治らなかったので外の空気に触れようと裏の時計台に行った」

「時計台…?私、時計台の方へは行ってないです」

「…え?」


驚く事実が発覚した。松原は時計台の近くにも寄ってないというのだ。SAOTOMATEは時計台の反対側にあるため通り道にもならない。


「…じゃあ、犯人は…聖川くんじゃない誰かって事?」


信じられないというようにわなわなと震える秋村。新事実のきっかけとなった松原の発言に皆顔を見合わせてざわざわと話し合っている。…が、俺はただ一人誰とも会話していない男子生徒を見つけた。そういえばあいつは昨日から茶髪に染めていた。染めた時期も怪しい。


「おい、そこのお前」

「…っ…!」

「名前は福田だったか?」

「あ、あぁ…」


福田と名乗る目の前の男子生徒はなんだか視線が泳いでいる。


「お前か?松原に怪我をさせたのは」

「そうだ……」

「聞こえないぞ、クラス中に聞こえるように言え」

「そうだよ!!」


その言葉に皆驚きを隠せなかった。その男子は成績もAクラスの中では特によかった一人であったからだ。


「話せ。何故俺に成りすました?何故こんな事件を起こしたのだ?」



続く。
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