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□ライバルであり友であり
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「そこからのパートは俺ね」

「では俺はここを…」


作曲コースに通っている生徒の作品のため、AメロなのかBメロなのかわからない部分がある。曖昧な部分はメロディーごとに分けていった。


「まぁ、こんなもんかな?」

「あとは作詞、だな」


とりあえず歌う場所が決まった二人は本命の歌詞を考え始めた。


「俺は、愛のフレーズをたくさん並べようかな」

「おい、それでは俺の歌詞と合わずに別の曲になってしまうではないか!」


真斗はレンと少し違う視点からの恋のフレーズ。レンはそのまま言葉を紡いでいる歌詞だった。


「もう少し表現を抑えてくれないと困るのだが」

「俺だってこのままレディ達に想いを歌いたいさ」


真斗とレンの意見が合わなくては曲を歌えない。どうしようか迷った末に真斗が提案した。


「フレーズを掛け合いみたいに交互に歌うことはできないだろうか」

「どんな風に?」

「ここは台詞が入るので2拍ずつに分ける。例えば神宮寺が"愛してる"と1小節の2拍で言い、次の2拍で俺の台詞という感じだ」


うまく思ったことを説明できたかわからないのか真斗は首を傾げる。だがレンはすぐに理解したようで面白そうに笑う。


「へぇ〜。じゃあ聖川が次に歌いやすいような愛のフレーズなら構わないよね?」

「あぁ」


そこからの作業は早く、何回か試行錯誤を重ねたのち、二人が納得する歌ができあがったのである。



「聖川、ナイスアイデアだったね。俺との歌詞のぶつかり合いにならない方法をよく思いついたものだ」

「片一方の歌詞が激しくては俺の歌詞など消えてしまうからな」


意見がぶつかり合って解決するまで話し合う良きライバルであり幼なじみといういい関係が今回の曲を生み出した。そんな二人の姿を天井の隙間から見ていたシャイニング早乙女は二人を仲良くさせることに大成功と言わんばかりの笑顔を浮かべて学園長室に戻ったとさ。
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