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□ドキドキどっきり大作戦!レン@
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俺のところに来たのは同じSクラスのイッチーだった。
「いらっしゃいませ」
お客様が来たから挨拶をして商品に手を伸ばす。その間何だか視線を感じて視線の先を見てみると、
「……(じー)」
ガン見。イッチーは普段人をまじまじと見つめるような奴じゃない。よって、この視線は怪しんでいると受け取れるね。俺は構わず人生初のレジ打ち。
「こちら2点で320円になりま」
「何をしているのですか、レン」
あ……やっぱり、クセのあるメンバーでやってるからバレるよね、そりゃ。でも抗ってみよう。
「レン?知らないですね…人違いではありません?」
「女装しながらアルバイトですか、レンが。悪趣味ですね」
冗談は通じないようだ。しかし…言いたい放題だね、イッチーは…。
「どうしてわかったのかな?」
特に意味はないが何故バレたのか気になるレンは聞いてみる。
「目、ですかね。空色の瞳に垂れ目なのはレンしか思い当たりませんから」
「なるほどね」
イッチーも見てないようで人の特徴を良く捉えてるな。
「で、何故女装して此処にいるんです?」
「ボスの指令さ」
「学園長が?」
イッチーが疑いの視線を送ってくる。無理もない、ドッキリだから。
トキヤと会話しながらカードにチェックを入れる。できる事ならもうこれ以上チェックしたくないカードだ。
「おいくらでしたか?」
話はもう終わりなのかトキヤが本来の目的である買い物を終わらせたそうにしていた。
「さ、320円です」
「はい。イマイチ訳の解らない企画ですが、頑張って下さい」
「とても応援しているようには見えないよ、イッチー」
会計を済ませるなりトキヤは小馬鹿にしたような言葉を投げかけて店を後にした。
「はぁ…」
「お疲れー、レン!」
俺がため息をつくと周りに人がいないのを確認してイッキが話し掛けてきた。
「大変だったでしょー、トキヤ」
「全く冗談が通じないね、聖川みたいだ」
「あ、そういえば!マサとトキヤって雰囲気似てるよね」
「そうかい?聖川はからかうと面白いけど」
「トキヤの完璧主義はブレることを知らないから怖いよ…」
音也の発言からトキヤを騙すのは至難の技だと思ったレンであった。