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夢の舞台へ
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「…学園長が準備をしただけあって、これは…」

「凄く大きいし広そう」


デビューライブ当日。いざ会場に来てみれば目の前には初のライブにしては大きい会場。あんぐりと気づかないうちに口を開けてしまいそうだ。


「学園長先生も僕達に期待を寄せてくれているのでしょうか」

「絶対に成功させるぞ!」

「おぉ、おチビちゃんはやる気だね」

「このライブの評価が今後に関わってくるのだ。当たり前だろう」


昨日、シルエットだった写真も姿が公開された。ライブに来る客はST☆RISHのメンバーの顔を知ってる人も知らない人もいる。ステージに立ったときの緊張は計り知れない。



「あ、レンもノースリーブだ!」

「イッキも同じなんだね」


撮影のとき見られなかった互いの衣装を見比べる。見つける度に一緒だ一緒だと楽屋はワイワイと賑わっていた。



リハーサルも真面目に受け、後は1時間後に始まるライブを楽しむのみだ。

ここにくるまでたくさんの苦難があった。

真斗が夢のために暴走し、レンを怒った後の怒りを音也にもぶつけてしまったこと。それによってグループがぎくしゃくしたこと。真斗が声を出せなくなったこと。本当に様々だ。

そういった苦境を乗り越えてきた彼らはきっと団結した良いステージを見せるだろう。



マジLOVE1000%終了後...

「こんにちは〜!ST☆RISHのi、一十木音也でーす!お披露目ライブ来てくれてありがとー!」


音也がトップバッターで挨拶をする。


「ST☆RISHのH、聖川真斗です。今日は来て下さり、ありがとうございます」

「1番最初のSの四ノ宮那月と言います!今日はありがとうございます♪」


順番にAクラスの自己紹介が終わり、次はSクラスだ。


「ST☆RISHのT、一ノ瀬トキヤです。私達のライブに足を運んで下さって、感謝しています」

「Hello,everyone. 俺はST☆RISHのRこと、神宮寺レン。素敵なレディ達に会えて嬉しいよ」

「お、おいっ…やりにくさ満載だな…。俺は後ろから2番目のS、来栖翔だ!よろしくなっ!そして、今日は来てくれてありがとよ!」


SクラスはHAYATOであったトキヤ、有名財閥のレンがいるために黄色い歓声が飛び交っていた。


「この次は一人ひとりがソロで持ち歌を歌うよ!」

「最後まで一緒に盛り上がろーぜ!」


音也が次の曲を紹介して
翔が会場を盛り上げる。盛り上がりが最高潮なそのままの勢いで音也からソロ曲を歌い始めた。

それからトキヤ、真斗、レン、那月、翔の順番でソロ曲が披露され、ライブはもう一度マジLOVE1000%を歌って終わりだが...

"皆で踊ろう"

という音也の案により、主なメロディー以外の掛け声、Let's shout!やLet's go!等で客にライトを持ってジャンプして貰い、Check it out!!は左、右、真ん中でST☆RISHの皆と同じ動きを隣の人とぶつからないようにやろう、ということになった。

一回限りの本番。…結果は客と合わせる場所を強調して歌ったり、ライブの最初に聴いたからか客の飲み込みが早かったようで大成功に終わった。

名残惜しまれながら退場したST☆RISHは6人とも満足そうに笑っていた。


「楽しかったね、お披露目ライブ!」

「音也くんのアイデア、お客さんも楽しそうでしたね♪僕もとーっても楽しかったです!」

「会場が一体になった感じがあったな」

「突然のことで少々驚きましたが、なかなかでした」

「本当にできるのかと思ってたら、企画者もやり遂げちゃうし」

「つか、リハになかったからほぼアドリブっつーか無茶ぶりっつーか…音也らしいぜ」

「あはは、ゴメンゴメン」


最後のステージについて各々が感想を言えば音也もメンバーに楽しんで貰えて嬉しそうだった。


「俺達は喧嘩したって最終的には仲直りしてこうやってステージを作りあげることができるんだよ!」

「音也…貴方まさか…」

「皆、入学当時からの仲間だもんね」


音也がアドリブで示したかったこと、それは"団結"だ。一人でも手伝わなければ客を最大限に楽しませるステージができなかったはず、それを言いたかったのだろう。


「それじゃっ、俺らはこれからも団結して」

「最高の歌と」

「最高のステージパフォーマンスと」

「ファンの方を元気にさせて♪」

「そして大切に」

「この6人でトップアイドルを目指すぞー!」

「「「「「「おー!!!」」」」」」


団結という固い友情の鎖が繋がれた彼ら。これからどんな活躍・成長をするのか見物である。


    End
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