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公表デビューはすぐそこに
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デビューが1週間後に迫ったある日のこと。談話室にいるとなんだか廊下から聞こえてくる足音がドタバタと騒がしい。バタンっ!!と勢い良く開いた扉の奥には音也がいた。


「皆いる?ねぇねぇ見てこれ!」

「全力で廊下を走ってきた挙句に勢いよく扉を開けてきて…忙しいね、イッキは」

「他の生徒にも迷惑になってないといいが…」


レンと真斗が他生徒の心配をする中、音也の持ってきたものを見ようと翔が寄ってきた。


「サッカーか?」

「違うよ〜。この間撮ったシルエットの写真で見開きで宣伝されてるんだよ!」

「見開きっ!?オッサンすげぇな…」

「学園長なら考えられなくもないと思いますが?」

「さすが伝説の記録を作ったアイドルは一味違いますね♪」


宣伝されている雑誌を見て驚く翔と大げさに驚かなかったトキヤと那月。どれどれと御曹司も覗き込んでいる。


「なんだか、早く曲を披露したいね」

「入学当時はあれほど嫌がっていたのにな〜。授業もサボってたし」

「なかなか課題も出さなかったですし」

「君達は俺のことをどんな風に思っているのかな…?」

「サボり魔」

「テキトーな人、ですかね」

「……」


同じSクラスの翔とトキヤに散々言われて何も言えなくなってしまったレンは肩を竦めて完全に黙り込んでしまった。その隣では仲良しな会話が繰り広げられていた。


「音也くん、真斗くん、お披露目が楽しみですね♪」

「うんっ!いきなり広い舞台で歌って踊るんだってさ。わくわくするなぁ〜」

「入学してまもなく作った曲とユニット曲…どれも気を抜けんな」

「懐かしい曲と新曲が混ざり合う日か〜。ぞれだけ成長したか分かる日でもあるんだね!」

「そうですねぇ、思いが来てくださる人に届くように」

「全力を尽くそう」

「じゃあ、あれやろうよ!せーのっ…頑張るぞー!」

「「「おー!!」」」


音也の掛け声で気合を入れるAクラスの3人。その横ではレンがこれこれと言いたげな視線を2人に向ける。


「うちのクラスはあぁいうのやらないのかい?」

「こちらはこちらでしょう?」

「俺が音也みたいにしたっていいけどよ、お前ら乗らねーだろ?」


2人がもっともな意見を言うとレンは聞こえないくらい小さな声で呟いた。


「仲間意識薄すぎる気がするのは俺だけかな…?」

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