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□レコーディング本番
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話し合った末に決まった並び順は以下の通りになった。
音也
真斗 翔
那月 レン
トキヤ
並び順を見ては音也が口を開いた。
「トキヤが目の前かぁ」
「なんです、何か不満でも?」
「ううん、一緒に歌うところとか目が合えばだけど、合わせやすそうだなって」
「…そうですか」
振り付けの中でも目を合わせるなどの動きがあるために音也の言うことに納得できるトキヤは視線を泳がせた。
{そろそろレコーディングを始めますが、準備はいいですか?}
外からスタジオの中にいるST☆RISHに声が掛かると、6人もマイクを通じて返事をした。
そして、付けているヘッドホンからメトロノームの合図が鳴るなり曲が始まるとともに6人は歌い始めた。
「翔ちゃん、楽しそうでしたね♪」
「お前もじゃねーか那月」
一度目のレコーディングが終わればヘッドホンを外しながら言う那月。翔も笑いながら指摘する。二人は歌いながら振り付けを小さく踊っていたのだ。
「俺らもバッチリだよね、トキヤ!」
「当然です。あれほどリズムを厳しく指導し、目の前でカウントをとったのですから」
「カウントをとるのも踊ってるみたいで楽しかったよ」
「私も久しぶりに…いえ、初めてこんなにも楽しいレコーディングでした」
音也とトキヤはカウントをとりながらだったが、その行動によってノリも増した様子。
「聖川は、ちゃんと歌えたのかな?」
「もちろんだ。この機会を逃す訳にはいかないからな」
「喉も痛めてない?」
「まだ一度目だからか平気だな。こまめに水分補給はするが」
真斗に歌の出来と喉の調子を聞き、大丈夫そうだと安心したレンは水分補給をした。真斗とレンは自分達のパートで目を合わせたり、音也達と同じ事をしていたようである。
{凄く良かったよ!このまま出せそうなくらい。でももっと良いものが出来るかもしれないから何度か録ってみようか}
「「「「「「はい!」」」」」」
その後、何度も録っては聞いて修正し、候補を絞り込んで1番の出来栄えのものを6人で選んだ。選んだものは最後に録ったものだが、最初に録った歌もなかなか捨て難いということで心優しいスタッフがCDに焼いてST☆RISHにプレゼントしてくれたのだった。