およそ一生なんて

□第41話
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『お化け屋敷?』


右「そうや。3人で一緒に行かへん?」





あたしと乱馬にチケットを渡す。


お化け屋敷か…


チケットをじっと見つめる。
右京ちゃんには悪いけど、「お化け屋敷」というワードが出た瞬間あたしの答えは決まっていた。





『んー…せっかくだけどごめん。あたしはいいや』


右「えー!!!なんでなん!?」


乱「…」


『2人で行ってきなよ』


右「名無しさんも一緒やないと意味ないんや!」


『誘ってくれるのはありがたいんだけどね、』


右「予定がない日に合わせるで!」


『予定云々の話じゃなくて』


右「じゃあ行こうや!」





全然引いてくれない。

そして話を聞いてくれない。





『あのね、』


右「…」


『実はあたしこういうの』





苦手なんだ、と言おうとしたのに





右「わかった」


『え?』


右「行きたくないならしゃーないな」


『右京ちゃん…』





ふっと、遠くを見つめた。

そして、





右「ほんまはな、このチケット2枚しかもらわれへんかったんや」


『えっ』


右「ただ、うちがどうしても名無しさんと乱ちゃん3人で行きたかったから必死で手に入れたチケットやったんけど…」


『えぇ…』


右「名無しさんがどうしても行かれへんていうならしゃーないもんな」


『えぇぇ…(汗)』





涙目で独り言のようにつぶやく右京ちゃん。

助けを求めようと乱馬を見れば、乱馬もあたしを見ていた。





乱「どうすんだよ?」


『どうするって…』





この状況を楽しんでいる、この男。





乱「必死にとってくれたんだってよこのチケット。名無しさんのために」


『うっ…』





ちらっと右京ちゃんを見れば相変わらずしょんぼりしていて。


あぁ!!もう!

わかったよ!!!





『…一緒に行くよ』


右「ほんまに!?」


『うん。ありがとう右京ちゃん』


右「こちらこそおおきに!!もちろん乱ちゃんもやんな?」


乱「どうせ暇だしなぁ」







こうして右京ちゃんの押し?に負け苦手なお化け屋敷に行くことになってしまったのだった。







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