およそ一生なんて
□第40話
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-乱馬side-
晩飯の時間。
名無しさんだけなかなか姿を見せず、俺が探しにくることになった。
乱「ったく…名無しさんーっ」
みんな待ってるってのによ…
乱「名無しさんーここかー。なーんちって」
お遊び半分でゴミの中を漁れば、さっき俺が当たって台から落とした人形が入っていた。
乱「この人形…確かさっきの…」
ぼやーっと考えていると、
ん!?殺気?
さっと避けるとそこには俺が探していた名無しさんがいた。
しかも俺をでっかい槌で攻撃してきている。
【ら〜〜ん〜〜ま〜〜】
乱「なっ、なんだよ名無しさんっ!?」
名無しさんの勢いは止まらず、俺が持っていた人形に槌が当たり、人形が手から離れた。
軽々と攻撃を避けて槌の上に乗っかり、名無しさんをじっと見下ろした。
乱「名無しさん、どうしたんだよ?お前らしくないっていうかなんていうか…」
【きさま、できるな】
乱「はぁ?今さらなに言って…」
【…】
乱「?」
なんとなく名無しさんに対して違和感を覚える。
シ「なにやってるか名無しさん」
右「人形なんか構ってないで、はよご飯食べよ?」
乱「…だとよ」
そう言われ、名無しさんとバチっと目が合うもすぐ逸らされてしまった。
見た目は名無しさんなのに、何かが違う。
ただ、今はそう感じるだけだった。
乱「あーぁ、かわいそうに」
さっき手離した人形を手に取った。
乱「もとに戻してやろうな」
右「その人形…」
乱「ゴミ箱に入ってたんだ」
シ「ゴミ箱?」
乱「あー、ひでーことするやつがいるなー」
人形になった名無しさんが俺に助けを求めているなんてことは知らず、飯へと向かった。
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