およそ一生なんて

□第29話
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「どうなの、名無しさん!」



あかねが教室に戻ってきてクラスの女子が問いかける。



あ「小乃接骨医院に運ばれていったわ」

さ「骨折してるかもしれないって」

クラス女「えーーっ!」

ゆ「こんなことになったのあんたたちのせいよ!」

さ「そうよ!」



怒りの矛先が俺らに向けられる。



乱「あのな!俺は…」

あ「なによ、全く責任がないとでも言いたいの!?」

乱「いやっ…その…」









――――
――






-名無しさんside-




東「ん〜…折れてはいないが、ヒビが入っているようだね。ギブスをして一週間くらい安静にしていればよくなるよ」

『入院…ですか…』

東「そうだねぇ、2,3日くらいは…」

『そうですか。お世話になります』



それから着替えて病室へ場所を移した。

学校で乱馬たち攻められてるだろうな。

あたしの不注意でこんなことになっちゃったのに。



ドドドドドドド



『ん?』



足音が聞こえたと思ったらバンッと勢いよくドアが開いた。



早「名無しさん〜!」

玄「名無しさんくん!」

な「名無しさんっ」



お見舞いにきてくれたのだろうか。

天道のおじさまなんて涙流してるけど。



早「死んじゃやだ、名無しさん」

玄「思ったより元気そうじゃないか」

な「運動神経いいって聞いてたけど、それでも怪我はするのね」

東「大した怪我ではありませんが、念のため2,3日預からせてください。
…っておわッ!?」

早「先生!なにとぞ娘をよろしくお願いいたします!」

東「は、はい…」



みんな顔を見にきてくれたのももちろん嬉しいけど、おじさまが娘って当たり前のように言ってくれたことがとても嬉しかった。

そのあとすぐかすみお姉ちゃんが病室にきてくれて案の定、東風先生は壊れちゃったけど。



『はぁ……』

な「どうかしたの?名無しさん」

『あ、いや…』



乱馬のことだもん、

きてくれるわけないし。



な「ふふっ、あぁ、乱馬くんならまだ学校にいたみたいだったけど?」

玄「そういえばあいつ一体何をしとるんだ。名無しさんくんが怪我をしたというのに」

『いいんです、おじさま。あたしの不注意だし…』

玄「いいや、そうはいかん。あのばか息子。真っ先に駆けつけてしかるべきものを親として叱るべきだろうな」

『あはは…』



みんながきてくれて少し気が紛れたな。



早「じゃあ、名無しさん、行くよ」

か「東風先生、名無しさんをよろしくお願いします」

東「いや、いや、はいッ!…っうわッ!」

『と、東風先生大丈夫ですか?』



思いっきり顔面から転んじゃって。

かすみさんパワーすごいな。



東「それじゃあ名無しさんちゃん、あとで回診にくるからね」

『あ、はい。わかりました』



みんなが出て行ってあっという間に病室が静かになる。



『…結局期待してるじゃん……あたし』



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