およそ一生なんて

□第29話
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-乱馬side-




乱「ん?」



体育の時間、男子はマット、女子は平均台に分かれてそれぞれ授業を受けている中ひろしと大介が五寸釘に話しかけていた。



ひ「よう、五寸釘。なかなかよく撮れてるじゃないか。こいつもらうぜ」

大「おい、五寸釘!」

五「あッ、はいぃッ」

大「俺にも一枚撮ってくれるよな!」

五「はあぁぁ…」



カシャッ



大「ワンダホーーーー!」



五寸釘が撮った写真を後ろから覗く。

そこには名無しさんが映っていて。



乱「へぇ、おめーらそんなもんが欲しいのか。変わった趣味だな」

大「お前はいいよな、名無しさんと同じ屋根の下で一緒に暮らしてるんだからよ」

乱「んなッ///」

ひ「それに比べて俺らはみじめだよな。こんな写真で我慢しなきゃならないんだぜ?なぁ、大介」

大「そうだよ、乱馬!人の身にもなってみろよ。写真の一枚や二枚でがったがた言うなよ」

ひ「それともなにか?俺たちには写真すら撮らせたくないのか?」

大「そこまで名無しさんを独占したいわけ?」

乱「俺は別に、そういうつもりじゃ…」

ひ「へぇ、じゃあどういうつもりなんだよ」



俺らが話している間もひたすら写真を撮り続ける五寸釘。



乱「と、とにかくもういいだろ五寸釘!いつまで撮ってんだよ!」

大「おっと!」

乱「んな、お前ら!」



五寸釘に近寄ろうとすると大介に羽交い締めにされ、身動きが取れない。



ひ「五寸釘、いいから撮りまくれ」

五「は、はい…」



写真を撮りながら徐々に名無しさんに近づいていく五寸釘。



乱「やめろっつってんのが…わかんねぇのかよッ!」



羽交い締めしている大介をひろしに投げつけ、二人がそのまま五寸釘にぶつかった。

カメラを奪おうと手を伸ばすが、五寸釘は倒れた反動でシャッターを押しフラッシュが発光する。



『えっ…わッ……』



その光で平均台の上にいた名無しさんがバランスを崩して落ち、倒れた。



あ「名無しさんッ!」

さ/ゆ「大丈夫!?」

『いたたた…ちょっと捻っちゃったみたい…でも大丈夫!ほら…………痛ッ』

あ「大丈夫じゃないじゃない!」

ゆ「先生ッ」

先「名無しさんさんを保健室へ!」



名無しさんはあかねたちに支えられながら保健室へ向かった。



五「あぁぁ…」

大「おい…」

ひ「大変だ」

乱「まじーな…」





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