およそ一生なんて
□第25話
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老「な…なんということを〜っ」
乱「なんでえ、ただの鏡じゃねぇか」
鏡の中の自分と目を合わせながら言う。
乱「これがどーかしたのか?」
そして突然鏡の中の俺が俺と違う動きをしたと思ったら鏡の中から出てきた。
乱「げ」
(乱)「わっはっは!かわいい女子をいっぱいナンパするぞー!」
乱「お、俺?どー…なってんだ…?」
パチパチ
薪が音をたてながら燃える中、あの鏡のことをじいさんが話し始めた。
老「この鏡を作られたのは百年ほど前。さる華族の令嬢の持ち物だったということです」
乱「へぇ、あのでっけー鏡が…」
老「令嬢はそれは美しい娘だったので、誰とも会わず毎日自分の姿に見ほれていたそうです。
そうして何年か過ごすうちに、令嬢は重い病にかかり、『ちいっ、彼氏を作っとくんだった…』、そう言い残して死んでいったと」
乱「(汗)」
老「令嬢の念がこもったのか、以来この鏡は映った者の姿を借りて…ナンパをしまくって付近の住民に迷惑をかけるようになった」
なるほど、そういうわけか。
ナンパねぇ…
いや、でも待てよ。
乱「それってその女の念だろ?男が映ってもそうなるのか?」
老「さよう。…というより、さっきのお嬢さんがあなたなのですか?」
乱「あぁ。まぁ話すと長くなるんだが…ってあれ?」
隣にいたはずのあいつがいない。
ナンパに出かけようと外へ全速力で向かっていく奴をとりあえず捕獲した。
乱「…で?」
老「新しい封印のカーテンを作るまで一週間かかります」
乱「…それまでどうすっかなー…」
めんどくさい一週間が始まりそうだ。
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