およそ一生なんて

□第20話
2ページ/10ページ















逃げるように自分の部屋に向かうと後ろから追うように足音が聞こえた。



乱「おい」



呼び止められて乱馬を見る。



『ん?』

乱「なに隠してんだよ」

『…なにも隠してないよ?』

乱「お前が未来のこと知ってるってのと関係あんのか?」



そんなの、

あたしだってわからないよ。



『大丈夫、大丈夫!ほんとになにもないから心配しないで!』



逃げるように自分の部屋へ。



未来の事なんてなにも分からないけどきっとあたしがいた世界では原作通りなんだきっと。







少ししてからあたしは部屋を出てあかねの部屋に向かった。



コンコン



『あかね?』

あ「あれ、名無しさん?」



ドアを開けるとお風呂上がりでパジャマ姿のあかねがいた。

そして部屋に入りすぐ本題に入った。



『あかね流幻沢でさ角笛みたいなのもらったりした?』



きょとんとするあかねは箱を出してきてひっくり返す。

中には昔遊んでいたであろうお手玉などが入っていた。



あ「あ、あったあった。これよ。昔誰かがくれたの。お守りだって…」



あかねはそういうと紐についた角笛をあたしに見せてくれた。



『これが…』

あ「もしかして未来知ってることとなにか関係があるの?」



乱馬と全く同じことを言われ苦笑するしか無かった。



『あたしもわからないの。関係してるのかしてないのか。もうあたしには未来が見えないから…』

あ「あぁ、そっか。前にそのようなこと言ってたわよね」

『うん』

あ「もしよかったらこれ持ってる?なにか思い出すかもしれないし」

『ほんと!?ありがとうあかね!』



あかねから借りた角笛を手に部屋を出ようとするとあかねに呼び止められる。



『どうしたの?』

あ「別に無理に思い出そうとしなくてもいいんだからね?」

『…ありがとう』



にこっと笑って部屋をあとにした。





.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ