およそ一生なんて

□第20話
1ページ/10ページ















《流幻沢飛御の森の伝説の魔物は、実在したのである!》



テレビを見ているとその言葉にぴくっと反応する。



『流幻沢…飛御の森…?』



テレビに視線を合わせたまま独り言のようにつぶやく。

あたしの向かいに座っていた乱馬があたしに声をかけた。



乱「どうした?」

『…ううん』



そう言ったもののなにか引っかかる。


なんていうか、

とっても懐かしい感じがする。



か「ただいまー」

『あ、おかえりなさい』



あかねとなびきちゃん、かすみさん3人が帰って来てあたしが見ていたテレビにあかねは言う。



あ「流幻沢?小さい頃家族旅行で行った所だよね?」

か「よく覚えてたわね。流幻沢のヘルスセンターに」

な「あー…」



そんな話を聞く。

あたしの世界ではこんなシーン漫画だかアニメだかで描かれてたっけ?

もう、なにも思い出せないや。



な「そのときじゃなかったっけ。あかねが迷子になったの」

『あかねが?』

か「そーそー。森の中で迷い込んじゃって大騒ぎしたのよ、確か」

あ「そういえば…」



そんなとき、あたしは頭の中で一つの角笛が思い浮かんだ。


え?どうして?

なんの角笛?



『つのぶえ…?』

あ「え?どうしたの?名無しさん」

『あ、いや…なんでもないよ』



あたしの不思議な態度に乱馬がじーっとあたしを見てくる。

なにか聞かれそうであたしはその場から離れることしかできなかった。







なにか、これは思い出さないといけないような…

そんな気がしてならない。









.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ