およそ一生なんて

□第16話
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乱「う…」

目を開けるとシャンプーが俺に声をかけた。


シ「乱馬、気がついたね」

乱「シャンプー、ムース…」

ム「あんなバケモノが相手じゃ。手勢は多い方が有利」

シ「名無しさん救出するね」


真剣なおもむきで言った。


乱「ありがてぇ」

シ「名無しさん連れ去った。絶対許せないね」


シャンプーが名無しさんを助けたいってのは分かるが…ムースは?


乱「ムース、お前名無しさんになんか義理とかあんのか?」

ム「別にない」


きっぱりそういうムースをよそに良牙が俺に耳打ちしてくる。


良「ムースはシャンプーが好きなんだ。シャンプーが名無しさんのことよく思ってるならムースもつくだろ」

乱「んー…」



果たして本当にそれだけだろうか。



乱「とにかく、これだけ戦力があるんだから無駄にはしたくねぇな」

良「確かにそうだな」

シ「なにか作戦立てるか?」

ム「とりあえずあいつの挑発には乗らないことだろう」

乱「…それだな」




…待ってろよ、名無しさん。

すぐ助け出してやるからな。















一方。




太「あぶねぇから下がってろ」


そう言ってキャンプファイヤーのような大きな火をつけた。


『居場所教えてるの?』

太「そうさ」

『乱馬のことあんまり甘く見ない方がいいと思うんだけどなぁ…』


あたしが一言言うと彼の肩が少しピクと動いたのが分かる。

そしてあたしの目の前へ。


太「お前はあいつが好きなのか?」

『は!? そんなわけないでしょ!』



太「…だったら」



あたしの顎を掴む。



太「俺の女になれ」


『…え?』


太「もう俺はお前をあいつらのもとに返そうだとかこれっぽっちも思ってねぇからな」


そうしてにやりと笑った。




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