およそ一生なんて

□第9話
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パラパラと壁の破片と共に乱馬が落ちた。




『ら、乱馬…』




ゆさゆさ揺らしても目を開けない。



『乱馬…乱馬…』



…わかってたのに。

…わかってたのに!!!



『私迷惑かけてばっかり…』



目を開けない乱馬に問いかけるが全く反応を示さない。




「目、開けてよ…」




お願い。

目の前でこんなことになるなんて。


ちゃんと目覚ましてくれるよね。

ちゃんと原作通りだよね?



不安だけがどんどん募っていく。



帝「おそらく体中の骨がバラバラだ」

あ「生きてたらバケモノですわ」



私に追い打ちをかけるように言う。





『…ごめん、なさい……こんな…』





あたしが乱馬の胸に頭をのせるとすっと胸に顔を押し付けられる。



『乱馬…?』

乱「名無しさんのせいじゃねぇって。それにおめーのこと迷惑なんて思ったことねぇから」



顔を上げると目を開けて微笑んでくれる乱馬がいた。



『よ、よ、よかった…ッ』


少し起き上がった乱馬に抱きつく。

それをちゃんと受け止めてくれた。



乱「ま、あれくらいでまいる俺じゃ…」

『あ、やめた方が…』



勢いよく立ち上がる。





びし

ばき

ぼき

べき




…私の忠告も虚しく体からしちゃいけない音が。





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