およそ一生なんて

□第3.5話
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「すっげーな早乙女」

「だーってこいつ中国で本格的な曲芸学んできたんだぜ」

乱「拳法だ」



体育で俺の鉄棒を見ていた奴らが俺に言ってきた。

曲芸ってなんだ、曲芸って。



「ときにおまえ、あかねとどこまでいった?」

乱「ん?」

「とぼけんなよー、許嫁だろうが」

乱「親が勝手に決めただけだ」

「ほー。その心底不満そうな顔を見る限りお前の本命は名無しさんか!」

乱「なっ」



俺の反応を見てから聞いた奴らは顔を真っ青にして泣き始めた。


「本当に狙ってたのに!」

「もう聞く人聞く人名無しさんのこと狙ってんだぜ!?」

乱「…」







あいつ…そんな人気あるのか…?






「名無しさんーっ頑張ってーっ!」

『う、うん!』



女子の野球に目を向けると「やったー!」とキャッチして喜んでる名無しさん。



ドキッ…



「かわいーよなー、やっぱ」

乱「…」

「なんていうか、控えめで?守りたくなるよな!」




なんで俺はあいつのこと守ってやりたいと思うんだろう。

武道やってるしそこまで弱くない、はず。


なのに、どうして…





そしてカキーンという球がバットに当たる音と共に俺の右頬に痛みが走る。

どうやらあかねが打った球が頬に命中したらしい。



あ「ご、ごめん…!」

『あれ…?乱馬なら避けれそうだけど…』



心配するあかねを他所に名無しさんは複雑な表情。



名無しさんのことを考えてたということがあって少し動揺する。

チラッと名無しさんを見ればバチっと目が合った。







乱「ちょっと、考え事…してた」

『?』







名無しさんは首を傾げた。






そして放課後、段々腫れてきた頬を気にしたあかねが東風先生の所へ連れていってくれた。








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