中編

□永遠の愛3
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白「お待たせ、行こう」




愛『車、乗ってください。
送りますよ』




白「3人送ったら
そのまま仕事するから」




愛『いや、でも…』




白「いいから。
仕事溜まってんでしょ」




橋『マナカ、私たちだけ降ろして』




愛『わかりました…』



マナカの車に乗り、
家まで送ってもらう。



白「なぁちゃん、
少しだけ仕事して帰るから
待ってて」




西『うん…』




白「そんな遅くならないからね」




西『でも…』




白「大丈夫。
私は、大丈夫だから」




西『分かった…
頑張ってな、』




白「ありがとう。
マナカ、出して」




愛『はい』



3人と別れ、
私は、仕事場へと向かった。









愛『マイさん、着きましたよ』




白「ありがとう」




愛『私も、仕事しますよ』




白「いいよ。
今日は家でゆっくりして。
アカネとの時間も作らなきゃダメだよ」




愛『でも、』




白「1人で仕事した方が捗るの。
1人にして」




愛『わかりました…
お先に、失礼します…』




白「お疲れ」



建物の中に入れば
警備のヤツらに
頭を下げられ出迎えられる。



そんな横を通り過ぎて
1番上の階へと向かった。



ガチャ…

白「ふぅー…」



私は椅子に座り、
残っている仕事に手をつける。



白「これ、多すぎだな…(笑)」



1人でやるには
あまりにも多すぎる書類。

1枚1枚に目を通し
1冊の冊子としてまとめる。



何時間だったのだろう。
あんなに山積みになっていた
書類がいつの間にかなくなっていた。



白「こんな集中力あるなんて…(笑)」



冊子にした書類を
地下の倉庫へと置きに行く。



白「これで終わりっと…」



横を見れば昨日の書類、
その隣には一昨日の書類。



毎日毎日、
その日あった出来事を
冊子にまとめて並べている。



白「あっ…」



私は、ふと思った。

40年前の今日、
ナナが亡くなった真相も
冊子にまとめてあるんじゃないかと。




私は、40年前の冊子を探した。



白「あった…」



40年前って
こんなにも薄っぺらいものなのか。

本当に2、3個しか
内容はないんじゃないかと
思うほどの薄さだった。



中を一枚目くると
どーでもいいことしか書いてない。



いつの間にか最後のページ。



自殺だったら
載せないか…



私は冊子を元の場所に戻して
家へと向かった。











白『ただいまー』




西『あ、まいやんや』



夕方頃、
1人で仕事をしに行った
マイが戻ってきた。



白『お腹空いたー』




西『お仕事終わったん?』




白『終わったよー』




飛『珍しい』




白『でしょー?
私の集中力すごいのよ』




橋「マイ、ありがとう」




白『いーえ。
今日の仕事はないから
みんなに伝えといたよ』




橋「うん」




白『お風呂入ってくるー』



マイはスーツのジャケットを脱いで
ネクタイを緩めてから
部屋を出ていった。



西『なんか、空元気って感じやな…』




橋「毎年そうだよ。
明日になれば気にしなくなるから」




西『うん…』



毎年のこと。


そう思っていた
この時までは…










白『なぁちゃん、
いつあっちに帰る?』




西『んー、いつでもええよ。
でも、夏休み終わる前には行かな』




白『そーだねー』




橋「飛鳥は帰る?」




飛『どーしよう』




白『あっち、暑いだろうし
ここにいてもいいんじゃない?』




橋「そーだね」




飛『まぁ、あっちに帰っても
やることないしね』




白『じゃ、私たちだけ帰るよ』




橋「うん。
仕事やっとくから
ゆっくりしてきな」




白『ななみん、やっさしぃ〜』




橋「あんたはそうやって呼ぶな」




白『イデッ!
殴ることないじゃんかぁー…』




西『フフッ』




愛『おっはよーございまーす!』




白『おはよー』




理『おはようございます』




奈「おはよ」



マナカが元気に
やってきたあと、
続いてリサ、アカネ、
テチ、ねるちゃんがやってきた。



相変わらず、
飛鳥となぁちゃんとねるちゃんは
ソファに座ってゲームをし始める。



愛『あ、来週
国民儀式あるんですけど
その準備の経費です』




白『うげー…
数字は見たくない…』




橋「あんたは確認だけすればいいの。
マイがやってミスしてたら
直すのこっちなんだから」




白『仕事できないみたいな言い方じゃん』




橋「できないとは言ってない。
ミスが多いの」




白『すみません…』




茜『私やっておきますよ』




理『ダメ、アカネ。
仕事やりすぎ』




茜『じゃ、誰がやるの?』




理『テチ』




平『え!!
私そんなのできないよ!』




理『テチも政府のやつなんだから
仕事して当たり前でしょ。
いつまでも迎えられてる側に
いないの』




平『はい…』




理『私も一緒にやるから』




茜『ありがとう』




白『おーおー、テチ頑張れよ』




平『むりー…』




橋「国民儀式かー…
今年もやってきたーって感じ」




白『あんなの、
暴れ回った記憶しかないよね』




橋「それは、あんただけでしょ」




白『私だけじゃないですー!
ワカもジョーもサユリも
一緒でしたー!』




橋「馬鹿な奴らじゃん…」




愛『裏町では喧嘩してたらしいですよ』




白『あいつらは馬鹿だねー』




橋「あんたも変わらないでしょ」




白『私はイタズラ』




理『それもそれで嫌ですけどね』




西『なぁ、国民儀式って?』




橋「毎年この時期はやってるんだよ」




飛『何それ』




理『人間界で言う
お祭りみたいなものですね。
国全体で行うもので
政府が毎年運営して
国民へ感謝するものです。
それで、国民は
この1年にあった悪いことなどを
火とともに燃やして
いいことはお金と一緒に
湖へと落とすんです』




飛『へぇー、そんなのあるんだ』




橋「お昼前から
日付が変わるまで
ずっとやってるんだよ」




愛『めちゃめちゃ楽しいですよ!
中心部が特に!』




白『じゃ、なぁちゃん。
それが終わったら帰ろっか
私の仕事も落ち着くだろうし』




西『うん!』




白『あっ!
私、国民の前で
スピーチしなきゃいけないじゃん!』




橋「そーだよ」




白『やだやだやだやだ!
やりたくない!』




橋「子供か」




茜『大丈夫ですよ。
毎年言ってることは
同じですから。
それを今年のに少し変えれば』




白『それも嫌だな』




橋「めんどくさいな」




白『言うんだったら
1から考えたものにしたい』




橋「だったらやれ」




白「ナナミ!やって!」




橋「いやだ」




白『ナナミも
トップ扱いされてんじゃん!』




橋「私はトップのお世話係」




白『そんなの聞いてないよ!』




橋「今初めて言った」




白『いやぁー!!!
やりたくなぁーい!!!』




飛『まいやん、うるさい』




白『はい。』




愛『飛鳥さん、強ぇ…』
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