中編

□タバコと一輪の薔薇
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そして、放課後



西『あ、まいやんや』




校門の先にはバイクが2台
この前と同じ光景だった



白『なぁーちゃん!』



まいやんは
なぁーちゃんに
手を振っていて
その隣で
タバコを吸っている
奈々未がいた



白『フフッ、お疲れ様』




西『ありがとう』




白『飛鳥ちゃんもお疲れ様』




飛「どーも…」




白『人見知りは
まだなくならないか〜(笑)』




奈『飛鳥』




飛「奈々未、」




奈『はい、乗って』




飛「ん」




白『お?お?お?
2人とも距離すっごい縮まってるけど』




奈『1回送ったら
そりゃ、喋れるわ』




白『ツンデレかよ』




奈『うるさい
飛鳥、いこ』




飛「うん」




白『バイバーイ』




西『飛鳥、バイバイ!』




2人に別れを告げ
奈々未に抱きついた





奈『飛鳥っ!このあと予定ある?』




飛「ないよ!」




奈『少しだけ時間ちょうだい!』




飛「いいよ!」




バイクを走らせながら
会話をする
奈々未の声って
意外と大きいんだ


新たなあなたの一面が見れて
私は幸せだ










奈『着いたよ』




飛「うわっ…」




奈『何その反応(笑)』




飛「初めてきた…」




奈『ここ、私のお気に入り
麻衣しか知らない』




飛「なんで、私のこと
連れてきたの?」




奈『さぁ…
何でだろうね、』




答えを濁らしてくることに
少し違和感を感じたが、
街を一望出来る丘
それに、時間帯が時間帯だ
夕日で綺麗に街を照らしていた
それに見とれている奈々未に
見とれてしまい
「なんで?」って
聞くことを忘れた





奈『飛鳥から、
連絡がなかなか来ないから
嫌われてんのかと思ったよ』




飛「ごめん、」




奈『なぁーちゃんから
連絡来て
少しだけ安心した』




飛「奈々未、忙しいと思って」




奈『飛鳥からの連絡だったら
忙しくても迎えにいくよ』




飛「それ、どういう意味?」




奈『さぁ、(笑)』




飛「全部濁らす」




奈『フフッ、
大人と子供の差』




飛「同い年じゃん」




奈『フフッ、そーだっけ』




笑いながら
タバコに火をつける
彼女


初めてタバコを吸っている時とは
違う見え方がした


タバコは嫌いだった


でも、奈々未が
吸っている姿は
とても似合っていて
かっこいいと思ってしまった


タバコは
人をかっこよく見せている
そう感じた





奈『なに』




飛「え、あ
何でもない」




奈『吸いたくなった?』




飛「そんな分けないでしょ!
それに、奈々未もやめなよ」




奈『やめられませーん』




飛「中毒だ」




奈『そうかもね
私、好きになったものは
手放さないから』




飛「ふーん」




奈『物もそうだし、
人もそうだよ』




飛「そーなんだ
じゃ、好きな人いるの?」




奈『うん、
あっちは私のことどう思ってるか
分からないけど
私は一目惚れしたんだ』




飛「惚れやすいんだね」




奈『私、好きになったの
その人で2人目だから』




飛「え!意外!」




奈『遊んでると思った?』




飛「うん」




奈『素直でよろしい(笑)』




飛「まいやんが
遊んでそうだもん
なぁーちゃん、
遊ばれてないといいけど」




奈『あいつは
バカ一途だから、
安心して
なぁーちゃんのこと
好きになったって言ってたし』




飛「え!やっぱり?」




奈『あ、言っていいのかな?』




飛「おい、」




奈『フフッ、
私たちに隠し事はなしでしょ』




飛「確かにそうだね」




奈『飛鳥はさ、
好きな人いないの?』




飛「私?

私は…わかんない…」




奈『そっか、』




飛「人を、
好きになったことないから…」




奈『そんなに悲しむことじゃないよ』




飛「悲しんでるっていうか
少しだけ焦ってる」




奈『そんなに
焦ることでもないと思うけど』




飛「周りはみんな恋をしてる
なぁーちゃんだって…」




奈『大丈夫だよ
いつか、飛鳥にとって
大切な人が現われる
それを探しな』




飛「うん、」




奈『そろそろ帰ろうか』




飛「わかった…」




私たちはまた、
バイクにまたがって
私の家の近くまで
バイクを走らせた
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