中編

□タバコと一輪の薔薇
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タバコは嫌いだ
臭いし、匂いがつくし、
頭だって痛くなる

街中を歩いていれば
歩きながら吸ってる人もいるし
喫煙所で吸っている人もいる
また、車の中で
足をあげて吸ってる人だって

タバコの良さは分からない




それは、この人に出会う前まで…









西『飛鳥〜?』




飛「ん?」




西『この前、
痴漢されたって言うたやんか』




飛「うん」




西『その時助けてくれた人に
また会ってな、
今日迎えに来るっていうから
一緒に帰れへん』




飛「それ、男?女?」




西『女の人!
ななたちと同い年やで』




飛「あぁ、なら安心」




西『大丈夫やって〜
その人な、ホンマに強くて
パッと見は怖いねんけど
話してみると
すごいおもろい人やねん!』




飛「そう、よかったじゃん」




西『もぉー、ちゃんと聞いてや』




飛「聞いてるよー(笑)」




西『あ、飛鳥』




飛「んー?」




西『なながいつも飛鳥と帰ってる
って言ったら
じゃ、その子も送るよだって』




飛「え?私も?
私、あったことないんだけど」




西『んー、まぁ大丈夫ちゃうん?』




飛「いいよー、
1人で歩いて帰る」




西『まぁ、そう言っとくな』











学校が終わり
なぁーちゃんと
校門まで一緒に行くと
珍しく
学校の前にバイクが
2台止まっていた




白『あ、なぁーちゃん!』




ライダースジャケットを着た2人
とてもバイクが似合う人達だった
髪の長い人がなぁーちゃんを
助けてくれた人だろう




西『まいやん!』




白『学校、お疲れ様
紹介するよ、
私の連れの奈々未』




奈『どーも』




西『どーも…』




白『なぁーちゃん、
最初はこんなんだから気にすんな』




奈『気にしてない』




白『その子は?』




西『飛鳥
さっき言った子やで』




白『あー!
はじめまして
白石麻衣です』




飛「どーも…」




白『飛鳥ちゃんも
人見知りか〜(笑)
人見知り3人もいると
私が大変だ』




奈『あんた、関係ないでしょ
そういうの』




白『バレた?(笑)
じゃ、なぁーちゃんいこ!』




西『え?あ、うん
でも、飛鳥は…』




飛「一人で帰るからいいよ」




白『奈々未、
どーせ暇なんだから
送ってあげなよ』




奈『ん』




白『はい、なぁーちゃん』




白石さんは
なぁーちゃんに
ヘルメットを渡して
なぁーちゃんも、
バイクに跨り
2人はすぐにどこかへ行ってしまった




奈『ねぇ、』




飛「あ、はい」




奈『乗って』




飛「いや、いい…」




奈『早く』




ヘルメットを
押し付けられて
乗ることしか
選択肢がないみたい

まぁ、どーせ
今日だけだと思うし
いいかな

そう思って
ヘルメットを付けて
後にまたがった



初めてのバイクは
少し怖かった
控えめに彼女に捕まっていたら



奈『落ちるよ
しっかり捕まって』



って、私の手を掴んで
自分の腰に回した



少しだけ
この人の優しさに
心がドキッとした
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