短編・歌詞

□白西
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ガチャ、
白「ただいま」




西『おかえり〜』




白「ごめんね、遅くなって」




西『ううん、
お仕事お疲れ様』




白「ありがとう」



どんなに夜遅くても
起きててくれるし
飲みに行っても
『お疲れ様』と
相変わらず
言ってくれる彼女を
玄関先で抱きしめた



西『フフッ、
体冷えてるんやから
先にお風呂入ってきて?』




白「今、七瀬で
あったまってるもん」




西『また後で〜』




白「はーい」



七瀬の言われた通り、
お風呂に入った




お風呂から上がれば、
七瀬はソファの上で
テレビを見ていた


ミネラルウォーターを片手に
七瀬の隣に座る



西『もうそろそろで
日付変わるなー』



テレビは、
あるバラエティー番組の
エンドロールが流れてる



白「そーだね」




西『フフッ、
ちゃんと帰ってきてくれて
ありがとう』




白「ちゃんと帰ってくるよ
七瀬が一番大事だもん」




西『フフッ、ななは
幸せもんやなぁ〜』




(さぁ!今回の…)



日付が変わり、
また違うバラエティー番組が
始まった


それを見た私は
テレビを消して、
カバンから
先程のものを
手に取った



白「なな、ンッ…」




西『チュッ…
まいやん、いつもありがとう』




白「フフッ、
いいえ、こちらこそ」



振り返れば
突然、七瀬にキスをされ
顔を赤らめながら
感謝の言葉を貰った



白「七瀬、これ」




西『ん?なにこれ』




白「開けて?」




西『うん』



ラッピングを
丁寧に剥がす、七瀬


早く開けないかと
うじうじしてしまう



西『これ…』




白「壊れちゃったって
言ってたからさ」




西『ごめんな…』




白「そんな顔しないで」




西『でも、』




白「フフッ、付けてあげるよ」



七瀬が持っていた
ネックレスを付けてあげれば
彼女は目に涙を溜めて
私のことを見つめた


七瀬は
この前、家事をしている時に
いつも付けていた
ネックレスが壊れてしまったと
泣きながら私に謝ってきた


そのネックレスは
私が結婚して
初めての七瀬の誕生日に
あげたものだった


だから、
どうしてもあげたかった


少し、時間が空いてしまったことは
申し訳ないなと思いつつ
渡せたことに
自分の中で嬉しさがあった



白「今日は、
私たちにとって
大事な記念日だから
これくらいはさせて?」




西『ありがとう…』




白「七瀬、
もうひとつあるんだ」




西『あ、ほんまや…』




白「付けてくれる?」




西『うん、』



もうひとつ
用意してあったネックレス

七瀬と
お揃いのもので
常に身につけられるものを
指輪以外で持ってなかったから
この際に買ったのだ


七瀬は
私の首に腕を回し
ネックレスを付けてくれた

付け終わっても、
七瀬の腕が
私から離れることは無い



白「似合ってるよ」




西『まいやんも、』




白「ありがとう」




西『なな、ほんまに幸せやな…』




白「もっともっと
幸せにする」




西『これ以上なんて
想像つかへん…』




白「私の今の夢は
七瀬を幸せにすること」




西『そんなんでええの…?』




白「そんなことって言わないの
私にとって
大きくてとても大事な夢なんだよ」




西『フフッ、ちゃんと
叶えてや?』




白「もちろん
何年経とうが
必ず叶えてみせるよ」




西『楽しみにしとるな?』





白「うん、
七瀬」





西『ん?』





白「これからも、
七瀬を幸せにさせてください」




西『っ…
はい…!』



いつもと変わらぬキスだけど、
この日のこの時間は
私たちにとって
誓のキスとなる



窓の外は、
キラキラと輝く
雪が降っていた
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