短編・歌詞

□若桜
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若「おらぁ!!!」




(グハッ…!)




若「ハァハァ…
二度とその面見せんな…」



あの頃、
私は納得の行かない大人達に
反抗するため
毎日喧嘩をしていた


共に喧嘩をする友はいない

学校に行っても
外面を見られ
近寄ってくる人もいなかった


でも、そんな時
1人だけ、
私に近寄ってくる人がいた



桜『若、また喧嘩したの?』




若「うるさいな
別にいいじゃん」




若「よくない!
なんで、怪我してるのに
手当しないかなぁ」



そう言って
カバンから
絆創膏を取り出して
手当てをしてくれた彼女



玲香



高二で隣のクラスになり
偶然が重なって出会ったのだ


初めはなんにも
気にしていなかったが、
うるさいから好きではなかった

でも、玲香が
風邪で学校を休んだ時
毎日昼休みになれば
私のところに来ていたのに
来なかったから
心配したのがきっかけで
私は彼女のことが
好きだと気づいた


そして、
私達は高二の秋に付き合った


お互い
恋人ができたのは
初めてだった


何だかぎこちなかった帰り道
ごく稀に喧嘩をして
玲香の家まで行って仲直りして
お泊まりすれば
朝日が昇るまで求めあったりした



玲香しか知らない私
私しか知らない玲香



高校卒業して、3年後


病める時も健やかなる時も
お互いの手を離さないことを選んだ

















しかし、
幸せの絶頂に訪れた絶望










玲香と共に
描いていた未来は
あっけなくどこかへ消えた


休みの日は一緒に料理したり
ソファの上でだらけながら映画見たり
他愛もない話してじゃれあったり


年を重ねていく意味


それは、幸せもある
でも、別れへ進んでいたことも
意味していたんだ
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