短編・歌詞

□白西
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白「ん…」




西『まいやん…』




白「七瀬、」




西『心配したやんか…』




白「ごめん…
でも、もう大丈夫だから」




西『うん…』



私が目覚めた時、
近くに七瀬がいて
時計を見れば、
次の日のお昼


迷惑かけちゃったな…



白「七瀬、こっちおいで」




西『え…?』




白「おいで」



狭いベッドに招けば
素直に入ってきて
小さくなる



西『ええの…?
こんなことして』




白「大丈夫だよ
先生に怒られるより
七瀬のことの方が
今は大事なの」




西『ばか…』



そう言ってるけど
なんだかんだ、
ベッドの中に
入ってきてくれる



白「フフッ、
久しぶりだね」




西『お泊まり出来ひんかったから』




白「えぇー、
私のせい?」




西『そうとは言ってへんやんか』




白「フフッ、ごめんってばー」




西『なんか、
前まではまいやんと
こんなになるとは思ってなかった』




白「そーだね
たまたまあの時
私が屋上に行ったから」




西『せやな…』




白「ねぇ、なんであの時
あんなことしようとしたの?」




西『それは…』




白「言いたくなかったら
言わなくてもいいんだよ?」



落ちてきてる
七瀬の髪を耳にかけてあげる


七瀬はそんな
私の手を握ってきた



西『ただ、疲れただけや…』




白「そっか、
でも、今は違うでしょ?」




西『ううん…
今も、』




白「え…?」




西『今も、
長生きなんかしたくない…
これから生きていくには
ちょっと寂しすぎる』



七瀬はあの時のように
泣きながら震えてた


そんな彼女を見て思った


愛なんて語れる気はしないけど



白「…先に死なないでよ
私はひとり残されて
生きたくなんかない」




西『正直、恋愛になんて
興味なかった…
どうせ別れるだけやし
めんどいから…
だから、まいやんと
付き合うのも迷ってん…』



君は突然そう言った


やっぱ、
愛なんてやっぱりわからないけど

ひとりにしないなんてウソだ
悲しませないなんてこともウソだ
人は関わり影響しあい
迷惑かけてかけられながら
傷つきそれでも生きている

愛がなにかは知らないし
恋がなんなのかはわからないけど
でも、
先に死ぬのは勘弁してよ



白「もし、私が死んだあと
どうする?」




西『舌噛んで死んだる…』




白「フフッ、こっわ…(笑)」




西『それくらいってことや…』




白「七瀬、
先に死ぬなんて言わないで
七瀬がいなくなるなんて嫌だよ
悲しみも辛さも私は
絶対耐えられないから」



西『ななに、味わえって言うん…?』




白「そーかも」




西『最低…』




白「でも、」



ベッドから出ようとする
七瀬の腕を引く

彼女を私の胸に



白「でも、その代わりに…
私が生きてるうちに
楽しさも喜びもたくさんあげる
1人で生きて辛くて
死のうとしてた七瀬の人生
私がやり直すから
だから、
私より先に死なないで…」




西『まいやん…』




白「おねがい…」




西『う、ん…』













二年半後、
私は先にこの世を去った

愛する彼女を置いて
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