短編・歌詞

□白西
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白『ん?新曲?』




奈「そう、思いついたから
先輩として私の作った曲を
評価してって意味」




白『歌詞見る限り
すっごいストレートだね』




奈「聞いたらもっとよく感じるよ」




白『聞かせてもらおうかな』



しーちゃんの仕事部屋
家にお邪魔して
わざわざ聞かせに来たのには
意味がある










ピーンポーンッ

奈「はーい、
あれ?なぁちゃん」




西『いま、大丈夫やった…?』




奈「大丈夫だけど
飛鳥、遊びに行ってるよ?」




西『ううん、
今日はななみんに
用があってきてん』




奈「私?
まぁ、とりあえず上がって」




西『ありがと』



突然やってきた
なぁちゃん

リビングへと通し
お茶を出して
目の前に私も腰かける



奈「で、どーした?
喧嘩でもした?」




西『ううん、』




奈「それにしては
暗い顔してるけど」




西『あんな、
ななみんに、お願いがあって…』




奈「お願い?」




西『ななみん、
ギター弾けるやろ?』




奈「まぁ、少しなら」




西『曲、書いてや…///』




奈「へっ?」




西『あんな、
前、まいやんがな
ななに曲書いてくれてん…///
でも、まいやんやなくて
ほかのアーティストさんが
その曲でCD出しちゃったから、
その…』




奈「嫌だったんだ」




西『なんか、
取られたって言うか…
なくなっちゃたって言うか…
ま、まいやんの
職業柄、しょうがないと
思うねんけど…』




奈「それで、今度は
なぁちゃんが作って
世には出さずに
2人だけのものにしようと」




西『う、うん…///

変かなぁ…?』




奈「フフッ、変じゃないよ」




西『なな、
曲作ることできへんから…
ななみんの手を
借りることになるんやけど…』




奈「それでもきっと喜ぶよ
なぁちゃん歌う?」




西『い、嫌や!///』




奈「そっか、
じゃ、私でいいのね?」




西『う、ん…///』




奈「私に全部任せきりだと
妄想の曲になるから
なぁちゃんも作詞には
協力してね?」




西『ええの…?』




奈「なぁちゃんがいないと
出来ないよ?」




西『うん、わかった
なな、頑張るな?』




奈「うん
いつまでに作る?」




西『来月のこの日が
記念日やねんけど…
間に合う…?』




奈「フフッ、
仕事も片付いてるし
予定もほとんどないから
大丈夫だよ」




西『ほんまに、ありがとう』




奈「いつもお世話になってるお礼
私にもさせて?」




西『うん、』



その日以降、
なぁちゃんと一緒に
曲作りが始まった

飛鳥にも
事情を説明すれば
『わかった』とだけ言って
特には気にしてなかった












奈「じゃ、早速始めますか」




西『んー、
作るって言ったけど
どうすればええのかわからん』




奈「なぁちゃんの
思いをそのまま書けば
いいと思う」




西『ななの思い?』




奈「うん、
箇条書きでもいいから
書き出してみて」



そう言うと
スラスラとペンを走らせた
なぁちゃん


一度、集中すれば
終わるまで途切れることのない
彼女は、直ぐに書き出し
出来たと私に見せてきた



奈「ストレート、かぁ…」



その箇条書きを
文章にし、歌詞へと
変化させていく



奈「1番は、なぁちゃんのことにして
2番はしーちゃんのことにしよ」




西『ん?』




奈「これとこれとこれ、
文章にしたのがこれなんだけど
こいつを、歌詞にすると…
私的にはこんな感じかな?」




西『おぉー、すごい』




奈「アハハハッ、
しーちゃん程じゃないよ」




西『これから始まるん?』




奈「んー、そーだなぁ…
あっ、これはどう?」




西『ん?
うわぁ、あんなのが
こんな素敵な歌詞になるんやな』




奈「歌い出しはこんな
感じでもいいかもね
とりあえず書いて
曲つけて変だと思ったら変えるね」




西『うん』









それから、数日後
歌詞が完成し、
曲をつけるのは
私の仕事


家で地道にギター1本で
曲をつけていく




コンコンッ、


飛『奈々未、』




奈「ん?」




飛『私寝るけど』




奈「あ、もうそんな時間?」




飛『うん、
お風呂入っちゃいな』




奈「わかった、ありがと」




飛『ん?
これ、ななのやつ?』




奈「そう」




飛『重い歌詞だね』




奈「他から見ればね
でも、」




飛『あの2人には丁度いい
でしょ?』




奈「フフッ、よく分かってんじゃん」




飛『ななから話しよく聞くし
私には話すくせに
しーさんには言わないから』




奈「だからこうして、
曲で伝えたいって言ったんだよ
きっと」




飛『ふーん』




奈「飛鳥も曲なら思ってること
伝えられるんじゃん?(笑)」




飛『奈々未が意外と
変態だってことを?』




奈「言っちゃってるし、
私変態じゃないし…(笑)」




飛『うそ、
でも、私は言わないから
感じ取って』




奈「フフッ、そーだね」




飛『でも、私も言いたい時は
あるんだからね…///
おやすみ、』


バタンッ、


奈「フフッ、明日は
曲作りおやすみかな」



明日、休む代わりに
今日は少しだけ進めよう
そう思い、もう一度
ギターを握り
紙と向き合った
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