短編

□お風呂
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飛「ただいまー…」




今日の撮影は
深夜まで続いて
家に帰ったのは
日付が変わった時だった


今日は実家ではなく
大好きな人の家
一緒に仕事をしなくなっても
こうして私が泊まりに行くことは
変わらなかった


でも、あっちは
昼間の仕事
私は不定期
特に今日は
絶対に寝ている時間に
帰ってきているから
会えるのは
明日のお昼前くらいだと思う
それでも、会えるのが嬉しくて
ここに来てしまう

リビングに行く前に
寝室を覗くと
奈々未はいなかった


まだ、起きてるのかな?


リビングに行くと
予想していた通り
奈々未はソファに座って
テレビを見ていた



奈『おかえり』




飛「起きてたの?」




奈『うん、
私、明日休みだし
それに、これリアタイで
見たかったからさ』




そう言って指さした
テレビは私たちの
冠番組が放送されていた




飛「あー、日村さんの
誕生日企画ね」




奈『飛鳥、何あげてんの?(笑)』




飛「みんなと被らないし
良いかなって?」




奈『フフッ、飛鳥らしい
明日、仕事は?』




飛「休みだよ」




奈『じゃ、
明日はゆっくりしよっか
飛鳥、疲れてるし
1日ここにいよ』




飛「うん
私、お風呂入ってくる」




奈『待って、私も入る』




飛「へ?」




奈『なに?』




滅多に言ってこない
発言をされて
私はキョトンとする




奈『水道代浮くし?(笑)』




飛「うん、わかった…
私先入っとく」




奈『あいよー』




着替えを持って
お風呂場へと向かった








奈『飛鳥、入っていい?』




飛「うん」




そう言えば、
奈々未が入ってきて
シャワーを浴び始めた


私は、先に入って
体を洗って
湯船に浸かっていた



奈『よいしょ
ふぅー、疲れたぁ』




飛「おじさんみたい(笑)」




奈『今日さ、
すっごい忙しくて
定時で上がれなかったんだよね』




飛「何時に帰ってきたの?」




奈『んー、10時くらい?』




飛「それまでずっと
テレビ見てたの?」





奈『ちょっとだけ寝たよ?
起きたら12時前で
テレビつけたら
飛鳥たちの番組が
始まりそうだったから
見てた』




飛「ふーん…」




奈『興味ないの?(笑)』




飛「いやぁ、」




奈『どーしたの?』




飛「え?なにもないよ?」




奈『なんか今日変だね』




飛「んー、
奈々未とお風呂入るなんて
珍しすぎて」




奈『アハハハッ、そーだね
初めて?』




飛「奈々未と2人きりはね?
大浴場とかはみんなで入ってたけど」




奈『あー、懐かしいねー』




飛「人とお風呂入るの
あんまりないから、その…」




奈『緊張してんの?(笑)』




飛「うるっさい…///」




奈『フフッ、可愛いなぁ
こっちおいで』




飛「ん…///」




奈々未と向き合っていたけれど
私は奈々未に背を向けた




奈『今日はそういう気分だったから
待ってたっていうのもあるよ』




飛「そっ、」




奈『たまにはこういうのいいじゃん?』




飛「うん」




奈々未は
私の肩に顎をのせて
密着してきた




飛「くすぐったい」




奈『いいじゃんか』




飛「だーめ
奈々未、変なことするから」




奈『しませんー
逆上せて
飛鳥、倒れちゃうから』




飛「はぁ?倒れないから」




奈『じゃ、やってみる?』




飛「ばかっ///」




奈『フフッ、少しだけ許してね』




そう言って奈々未は
うなじにキスを落としてきた

そして、
耳、耳裏、肩、背中、腕
と、色んなところに
キスをしてくる

こんなところでしているからなのか
分からないけど
いつもより奈々未のキスを
感じてしまう



飛「あっ…奈々未…」




奈『感じてる?(笑)』




飛「うるさい!///」




奈『怒るなよー(笑)』




飛「本気で逆上せちゃう」




奈『場所、変える?』




耳元で優しく囁くように
そう言われたら
何も言うことが出来なかった




奈『なぁーんてね
上がろっか』




飛「ん///」
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