短編

□大好きな音
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白『なぁちゃんっ』




西「まいやん」




白『この間の試合、負けちゃった』




西「そっか、お疲れ様」




白『でも、夏あるから
その時は絶対に勝つ!』




西「うん、
また、楽しみにしてるな」




白『うん、
それで、もし良かったらなんだけど…』




西「ん?」




白『あの、さ』




(まいやーん、先生呼んでるー)




白『ちょっと待って!』




西「どうしたん?」




白『今日、一緒に帰れないかな…?』




西「え?」




白『あ、いや!
なぁちゃん、早く帰りたかったら
かえってもいいよ!』




西「ええよ」




白『え…』




西「待ってるな?」




白『っ、うん!
すぐ終わらせて
すぐ準備する!』




西「フフッ、うん」




白『行ってくる!』




西「頑張ってな」




相変わらず
無邪気な子供のように
手を振ってくれる彼女に
自分の頬が緩むのがわかる


なな、まいやんのこと
好きなんや
そう思った










白『なぁちゃん!お待たせ!』




西「お疲れ様」




白『帰ろ!』




西「うん」




まいやんはわざわざ
校舎に入ってきて
ななを呼びに来てくれた




学校を出る時に
まいやんの部活の人達に会った




(まいやん、やるぅー!)
(ふぅふぅー!)




白『うるさい!
ごめんね、なぁちゃん』




西「ううん、
楽しそうやな(笑)」




白『うるさいけどいい奴らなんだ』




西「フフッ、そんな感じする」




学校を出て
ななの歩幅に合わせて
一緒に歩いてくれる
優しいまいやん

その優しさが嬉しかった





白『なぁちゃん、
なんでいつも教室にいるの?』




西「あそこ好きやねん
誰もいないし、
風気持ちいいし、
夕日綺麗やし」




白『そうなんだ』




西「それに、
まいやん見てるの好きやし」




白『っ///』




西「フフッ、照れてるん?(笑)」




白『べ、別に!』




西「フフッ、
なな、運動できひんから
やってる人見ると
カッコイイって思うねん」




白『なぁちゃんだってできるよ』




西「ううん、
まいやんみたいに
かっこよくできひんよ
だから、少し羨ましい」




白『そんなこと言ったら
なぁちゃんは
絵がめっちゃうまいから
私だって羨ましいよ』




西「やろー?」




白『自分で言っちゃうんかーい』




西「フフッ、」




白『ねぇ、なぁちゃん』




西「んー?」




白『夏、私たち最後の大会なんだ』




西「そうなんや、」




もう、夏が終われば
まいやんの練習姿は
見れないと思うと
少しだけさみしい
いや、少しじゃなくて
かなりだ




白『だから、
応援、来てくれないかな…?』




西「え、ええの?」




白『うん、
なぁちゃんがいたら
私、頑張れる』




西「ほんまに?」




白『うん
じゃ、なぁちゃんきたら
絶対にホームラン打つ』




西「約束やで?」




白『うん!
今回は絶対に
東京で1位になって
全国行くんだ』




西「わかった、応援行くな?」




白『うん!』




西「なな、このバスやから」




白『わかった
気をつけてね』




西「うん、まいやんも」




白『はーい、じゃあね』




ちょうど来たバスに乗り込んで
バスの外から見送ってくれている
まいやんに手を振ると
晴れた笑顔で手を振り返してくれた
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