短編

□出会い
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時間が経てば気づかれるもので



(あ、理佐、長濱
こんな所で密会してんのか?)



ある男子に見つかってしまった



『アハハハッ
密会だなんて、
長濱さん彼氏いるだろうから
ただ話してるだけだよ』




(やっぱ、彼氏いるよな〜
俺、狙ってたんだけど)




『ばーか、
お前よりもかっこよくて
強くて守ってくれる
優しい彼氏がいるんだから
無理だよ、諦めろ』




(ほーい
理佐、彼女は?)




『いるわけねーだろ(笑)
お前は、嫌味しか言わねーな』




(へへー
だって、渡邉くん
陰キャだったもんねー)




『うるせ、
とっとと戻れ』




(ほーい
2人もそろそろ
戻ってこいよー)




『ごめんね、』




「ううん、大丈夫」




『彼氏いるとか
言っちゃったし』




「うん、
嘘ついたなーって(笑)」




『長濱さん、
いるって思っちゃって』




「できたらいいんだけどね」




『アハハハッ、すぐできるよ
長濱さんなら』




「ありがと
渡邉くんって
優しいんやね」




『そうでもないよ』




(理佐ー!長濱ー!
戻ってこいよー!)
((ギャハハハハ!!))
(なんでよー!)



あいかわらず、
うるさいなー

そう思っていたのは
渡邉くんも同じで、



『ねぇ、
2人でどこか行かない?
静かなところ行こうよ』




「え?」




『あ、そ、そういうことじゃなくて!
か、カフェとかさ!ファミレスとか
嫌なら家まで送るよ』




「フフッ、
渡邉くん、優しいんやね」




『え?』




「いこ!
2人になれるところ」




『うん』






これが、
私と理佐の運命の出会いだった





あのあと、
理佐の行きつけのカフェに行って
たくさん話をした

連絡先を交換し、
最後は家まで送ってもらった









「ここでいいよ」




『うん、気をつけてね』




「ありがと
今日は楽しかった」




『俺も、』




「『あのさ、』」




『あ、
長濱さんからでいいよ』




「ねる、そんな大事なことじゃなか
渡邉くんは?」




『あ、あの、
また2人でどこかでかけない?
いや、なら大丈夫』




「嫌って言ったら?」




『俺、泣くかも(笑)』




「じゃ、行かん(笑)」




『ひっど(笑)』




「うーそっ、
またお話しよ?
連絡待ってるね」




『うん、
長濱さんは?
言いたいことあったんでしょ?』




「あ、いいよ、」




『だーめ、言わなきゃ俺
帰れないから』




「ねる、」




『ん?』




「ねるって、よんで?」




『ねる?』




「私の名前よ」




『あー!
ごめんごめん(笑)
ねる、ね?
俺も理佐って呼んで』




「うん!
じゃあね、理佐」




『うん
おやすみ、ねる』





理佐は
私に背を向けて
帰っていった
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