短編2

□嫉妬する柄じゃない
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岡『ゆうちゃーん』




村「なぁちゃん、おはよー」




岡『おはようございます』



今日は握手会
先に会場に来て
朝ごはんを食べていれば
なぁちゃんがやってきた

そして、私の隣に座り
携帯をいじり始めた


なんら変わりない出来事だけれど、
なぁちゃんの携帯の画面が見えた



【昨日はありがとうございました!】
【もう、ななさんに会いたいです!】



STUの子らしきメンバーからの
メッセージ


この子、絶対なぁちゃんのこと好きじゃん…



村「ねぇ、なぁちゃん」




岡『んー?』



私が声をかけても
携帯から目線を外すことはない



村「それ誰?」



自分でこんなこと聞くなんて
恥ずかしいって思うけど
それよりも気になる



岡『STUの子ですよ!
年下なんですけど大人っぽくて
可愛い子です!』




村「ふーん…」



自分で聞いといて
こんな反応って、、


それでもなぁちゃんは
いつもと変わらない

STUのメンバーの話になれば
キラキラと目を輝かせて
話をしてくる

大好きなのはわかるけどさ…



村「あのさ、」
篠『あ!
なぁちゃん!ゆいりー!
おはよー』




岡『あやなんちゃん!
おはようございます!』




篠『ゆいりー、今日も可愛いねー』




岡『やめてください!
それ以上近くの禁止!』




篠『えぇー』



いつも彩奈に
くっつかれたら
「うぇ〜…」とか
「いやー」とかいうけど
そんなことさえも言う気に
ならないのが現状



村「飲み物買ってくる」




篠『私も行くー』




岡『そしたら私も行きます』




村「1人で行くから付いてこないで」




『『え?』』



私の一言に
驚いている2人


そんな2人を無視して
私は席を立った












村「はぁ…」



自販機に来たはいいものの
財布を忘れて
何も買うことができず、
近くのベンチに座っていた



茂『あれ、彩希』




村「…茂木ちゃん、」




茂『何してんの』




村「うん…
まぁ、ちょっと…」




茂『そう』



いきなりやってきた
茂木ちゃん

一声かけて
それ以外は何も聞いてこなかった


茂木ちゃんは
自販機で
2つ飲み物を買った



茂『悩み事?』




村「え…?」



自販機で買った飲み物を私に
渡してきた

そして
隣に腰掛けた
茂木ちゃん



茂『同期の感情だけは
すぐに分かっちゃんだよね〜
あと、おんちゃんも』




村「何、惚気てんの?」




茂『そういうことでいいかな?』




村「うざ」




茂『ごめんって(笑)
それで、怒ってる理由は何?』




村「別に怒ってなんか…」




茂『顔が怒ってる
ここにシワがよって、
ほっぺ膨らませて
フグみたいだよ』




村「うるさい、やめて」




茂『そんな怒らないでよ(笑)
なぁちゃん?』




村「…」




茂『あってるんだ』




村「うん…」




茂『初めての喧嘩でもした?』




村「違う…」




茂『浮気でもされた?』




村「っ…」




茂『え、まじ?』




村「違うけど…」




茂『なんだ、焦った…』




村「なぁちゃんの携帯
見えちゃって…」




茂『何見たの』




村「STUの子との
やりとりなんだけど…」




茂『奈々さんに会いたいです〜
とか言うの見たんだ』




村「なんでわかるの…」




茂『だいたい想像つくわ
そして、睨むな』




村「うにゅ、
やめへー」




茂『おっ、この顔かわいいな
写真撮りたいくらい』




村「やめへっ、
おこりゅよ」




茂『アハハハッ、可愛、
おっ?おお?痛いぞ?』




岡『やめてください』




茂『ありゃ、見つかっちゃった』



私の頬を挟む
茂木ちゃんの手が
誰かによって
離された


その誰かは



岡『茂木さんでも許さないですよ』



なぁちゃんだった



茂『ごめんって
そんな悪気はないから』




岡『あったら困ります』




茂『ですよね(笑)』




岡『何してたんですか』




村「…」




茂『ちゃんと話し合いな』




村「ちょ、茂木ちゃん」



私が呼んでも
振り返ることなく
この場を立ち去った



岡『財布持って行ってないし
なかなか帰ってこないし
心配したんですよ?』




村「…」




岡『何か言ってくださいよ』




村「ごめん…」




岡『怒ってるわけじゃないんですけど、』




村「ごめん、」




岡『はぁ…
何か嫌なことでもありました?』




村「っ、」




岡『言わなきゃわからないですよ?』




村「怒らない…?」




岡『うん、怒らないよ』




村「嫌いに、ならない…?」




岡『なるわけないじゃないですか』




村「あのね、」



さっきの、
後輩メンバーとの
やり取りが嫌だったこと
なぁちゃんに話した



岡『うん…』




村「なんで、なのかは
分からないけど…」




岡『それ、嫉妬じゃないですか?』




村「え…?」




岡『私が他の子に
「会いたい」とか
「好き」とか言われてるのを見て
嫌になったんですよね?』




村「まぁ…」




岡『フフッ、それ
嫉妬ですよ、ゆうちゃん』




村「っ///」



なぁちゃんに
そう言われると
恥ずかしくなった



岡『嬉しいです』




村「うるさいなぁ///」




岡『でも、
ゆうちゃんに
そんな思いさせちゃったのは
申し訳ないです』




村「…」




岡『ごめんね、ゆうちゃん』




村「ゆうも、
勝手に怒ってごめんね…」




岡『できるだけそういうやり取り
取らないようにしますから』




村「うん、」




岡『はい、じゃ仲直り』




村「え?」




岡『早く戻りましょ?
体冷えちゃいますよ』



なぁちゃんに差し出された手
私はその手を握った



岡『あ、あと
あやなんちゃんが
泣いてましたよ?』




村「うそ」




岡『ゆうちゃんに
嫌われたーって』




村「別に、
そういう意味じゃないけど…」




岡『一緒に謝りに行きましょ?』




村「うん、」



なぁちゃんは
何も悪いことしてないのに
一緒に謝りに行くなんて



村「ねぇ、なぁちゃん」




岡『ん?どーしました?』




村「好きだよ、///」




岡『…』




村「な、何か言ってよ…///」




岡『やっぱりダメ』




村「え…?」




岡『あやなんちゃんに
謝りに行くの
やっぱり後で』




村「ちょ、どこ行くの?」




岡『その真っ赤な顔を
元に戻してから行きます』




村「えっ?え、えぇー…」



で、連れてこられたのは
人影のない非常階段

壁に追い詰められて
目が変わってしまっているなぁちゃん


私の真っ赤な顔は
治ることは無かった











篠『あー!!茂木ちゃん!』




茂『うぉ、、
なに、いきなり』




篠『なぁちゃんとゆいりーは!?』




茂『え、自販の方にいると思うけど』




篠『むぅ…
そこで何してたの』




茂『何してんだろ
今頃いちゃついてるんじゃない?』




篠『え
まって
2人で?』




茂『うん』




篠『あの2人付き合ってないのに
そんなことしてるの?』




茂『え…
付き合ってないの…?』




篠『あの2人…』
茂『問題あるな…』



((早く付き合えっ…!!))
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