中編

□永遠の愛3
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27日…





橋『マイ、そろそろ行くよ』




白「今行く。
なぁちゃん、行ける?」




西『うん。
でも、なな
こんな格好でいいん?』




白「大丈夫。
いきなり決まったことだし」




西『んー…』



朝、ふと目が覚めてしまった。

今日はナナの命日。
お昼からみんなで
お墓に行くことになっていた。

いつもとは違い、
スーツを着て
黒のネクタイをして
家を出る。



なぁちゃんは
いきなり決まったことだから
持ってきた私服の中でも
正装に近いものにしてくれた。



白「お待たせ」




橋『行こっか』




白「うん」



ナナミの隣にいる飛鳥も
暗めのワンピースを着ていた。



愛『マイさん、ナナミさん』




白「マナカ、」




愛『乗ってください。
みんなもう向かってます』




橋『ありがとう』



迎えに来てくれた。
マナカの車に乗りこみ
山奥へと向かう。









車がある場所で止まり
マナカがドアを開けてくれた。



飛『ここ、どこ?』




橋『山の頂上。
この国で1番高いところ』




西『そうなんや』




理『マイさん』




白「みんな、ありがとう」



みんな、もう揃っていて
スーツを着ていた。



白「楽な格好で良かったのに」




平『流石にそれは
ナナさんに申し訳ないですから』




白「ねるちゃんもありがとう」




ね『いえ、』




桜『マイ、これ』




白「いつも悪いね」



レイカに渡されたのは
薄いピンクの花束
いろんな花があり、
毎年これをナナに供えていた。



白「行こっか」



私が先頭で
頂上にある
お墓へと向かう。


お墓が見えたところで
誰か立っていた。



白「おばさん、おじさん」




(マイ…)
(今年もありがとう)




白「いえ…」




(私たち、もうそろそろ行くから)
(あとは、頼んだぞ)




白「はい…」



ナナの両親が
私たちの横を通り過ぎて
お墓をあとにした。


お墓には
私と同じように
薄いピンクの花があった。



愛『リサ、テチ、アカネ
ねるも』




平『うん』




理『はい、お線香』



先にマナカたち5人が
お線香に火をつけ
手を合わせた。



その後に
ワカとレイカ、
ナナミと飛鳥が
手を合わせた。



橋『マイ』




白「あぁ、」



私も、
お墓の前に行き
花をそえる。



白「はい、なぁちゃん」




西『ありがとう』



なぁちゃんにお線香を渡して
自分の分にも火をつける。


なぁちゃんが手を合わせ終わった後、
私は手を合わせる前に
お墓を見つめる。


命日にいつも来るけれど、
いつまで経っても
あの時の悲しさを思い浮かべてしまう。



白「ナナ…」



目を閉じれば
涙が出てきそうになる。



白「ふぅー…
元気だった?
今日はいつもより人が多いから
嬉しいでしょ
ナナに会いたいって言ってくれたんだ
ちゃんと、お礼言ってあげて
みんな、いい子だから…」



そう言ったあと、
私は手を合わせる。



この10年あった出来事、
私がトップになったこと、
ちゃんとこの国を守っていること、
なぁちゃんと出会えたこと。



全てを話した。



白「生まれ変わって
私に出会ってくれてありがとう。
ちゃんと、約束果たしたから、
ちゃんと幸せにするから。
ナナのこと…
七瀬のこと…」



立ち上がり、
後ろを振り返ると
私のことを待ってくれる
仲間たち
そして、なぁちゃん。



白「みんな、少し時間ちょうだい。
なぁちゃん、おいで」




西『うん…』



みんなから離れて
お墓の少し奥にある
ぽつんと置かれた
ひとつのベンチに腰掛ける。



白「ここ、ナナと
よく来てたんだ
2人で夕方から夜まで
ずっと話してさ、
夜遅くなって
ナナの親によく怒られてた」




西『そーなんや…』




白「ナナのこと、
大好きだった。
誰にも負けないくらい…」




西『うん…』




白「いきなりいなくなるなんて
酷いことするよなぁー…」




西『まいやん…』




白「ごめ、ん…」




西『なな、見てへんから…』




白「ごめん…」



なぁちゃんに抱きしめられて
彼女の胸で涙を流す。



今年は、
泣かないって決めてたのにな…



西『なな、
その子みたいになれへん…
でも、
マイのこと、幸せにするから…』




白「うん…」




西『だから、だから…』




白「うん…」




西『強く生きて…』




白「七瀬…」




西『なな、マイのこと
大切やから…
大好き、やから…』




白「ありがとう…」




西『明日からは、
ちゃんと、笑って…?』




白「うん、
七瀬、愛してるよ…」




西『ななも…』



私は、七瀬に
キスをした。
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