中編

□あなたに贈る愛
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(長濱、ここの問題は)




ね「Aです」




(正解、Bと間違えるやつ
多いから気をつけるんだぞ
じゃ、次の問題解いてくれ)




つまらない
勉強は簡単だ
ただやればいいから
でも、つまらない
新しい発見ができても
ふーんだけで終わってしまう
自分はこんなに感情がないんだと
おもってしまう

そんな私には友達はいない
半年前に転校してきて
初めは話しかけてくる人はいた
でも、自分を偽るのも
好きじゃないから
いつも通りの私で
話していたら
なんだこいつ状態
その後
必要以外話しかけてくる人は
いなくなった

別に一人でもいい
一人で学校に来て
適当にやり過ごして
一人で家に帰って
寝るまで一人で過ごす
両親は共働き
父親の仕事が上手くいって
位が上がって東京に来た
母親もこっちに慣れるのに
必死だった
1週間に何回会えるのか
私には分からない
会えたらとても嬉しかった

それは半年前の話…




ガラガラッ…!


愛『おっはー』




(愛佳〜)
(来るの遅いよー)




愛『ごめん〜(笑)
寝てたらこんな時間だったー』




(理佐はー?)




愛『まだ寝てるー』




(また、愛佳
キスマークついてるの?)




愛『エヘヘッ、それほどでも〜』




(褒めてないし!)




愛『褒めてると思ったー(笑)』




昼休み、
お弁当を食べてると
ズカズカ入ってきたのは
このクラスのヤンキー
志田愛佳
噂によると
毎日違う人と
身体を重ねているらしい
首元を見れば
その噂は本当っぽいけどね


でも、私に関係ないから
それに、興味ないから





なんて思っていたのは
この時だけだった
















窓側の一番後ろの席
眼鏡をかけて
髪を下ろして
スカートなんて
膝が隠れるか隠れないくらいまで
下ろしてる、じみーな子


近寄ってくんじゃねーオーラが
いつもすごいから気になってしまう


その一つ前が
ぺーたの席だから
行きたいんだけどさ〜
行けないんだよねー



あっ、



その子が席を立って
教室を出た時
ハンカチを落としていった
私はそういうの見逃せられない



(愛佳?)



早足でその子のあとを追いかける
その子はトイレに入っていった
出てくるまで待とうかな
でも、手洗いたいよなー
んーーーーー、なんて
迷っていたら
その子が出てきた



愛「うぉ、」




ね『すみません』




愛「あの!」




ね『はい』




愛「これ、
落としたよ」




ね『…ありがとうございます』




愛「ねぇ、名前は?」




ね『言う必要ないので』




愛「なんでよ、同じクラスじゃん」




ね『チャラい人と
関わりたくないので』




愛「ありゃー
てか、その眼鏡
偽物でしょ」




ね『えっ?』




愛「フフーン、
ちょっとこっち来て」




ね『ま、まってよ』




私はその子の手を引いて
保健室へ向かった












ガラガラッ
愛「よぉー」




茜『さっきも来たじゃない
何しに来たの』




愛「理佐起こしに来た」




茜『また怒られるわよ?』




愛「いーのいーの
こっちに座ってて」




保健室にきて
守屋に挨拶して
カーテンの閉まってる
ベッドを覗くと
まだ寝てる理佐



愛「りーーーさーーー」




理『…』




愛「おーきーてー」




理『…』




愛「こんにゃろ!」




理『ウグッ…!』




愛「あ、起きた」




理『いったいな…』




愛「エヘヘッ、ごめんねー」




理『なんだよ…
ぶさけんな…』




愛「ひぇ、こんわ」




理『なに…』




愛「ちょっとしてほしいことあるんだ」




理『むり』




愛「一生のお願い!」




理『嫌だ』




愛「守屋〜
メイク道具貸して〜」




理佐を起こして
守屋にメイク道具を借りる



そして、
じみーな子を
ベッドに連れてきて
座らせる




守『ねぇ、愛佳
その子誰なのよ』




愛「守屋は仕事してなさい」




守『追い出すわよ』




愛「ごめんなさい」




理『なに』




愛「この子メイクしてあげて」




ね『ちょ、ちょっと…』




愛「似合わないよ
そのメガネと地味な髪」




理『愛佳』




愛「どストレートに言いすぎた?」




理『ハァー…
こっち向いて』




愛「じゃ、ごゆっくり〜」
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