短編・歌詞
□さやみる
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side彩
カフェで1人。
テーブルにはコーヒーカップ二つ。
うちの頬には涙。
なんで、涙が流れているの…?
今までのことが頭の中でリプレイで流れる。
そうだ…振られたんや…
それでもいい。
それでもいいと思える恋だった。
戻れないと知ってても
繋がっていたくて…
初めてこんな気持ちになった。
お互いの仕事が増え、たまにしか会う事が出来なくなって、口で、「今度会おうね!」の約束は当たり前。それでもいいから・・・・・・
叶いもしないこの願い。
美優紀がまたうちを好きになる。
そんな儚いうちの願い。
今日も美優紀に会いたい。
いつしか美優紀は会う事さえ拒んできて…
一人になると考えてしまう。
あの時うちは忘れたらよかったの?
でも、この涙が答えやろ?
心に嘘はつけない…
恋がこんなに苦しいなんて…
恋がこんなに悲しいなんて…
思わなかった…
本気で美優紀を思って知った…
恐いくらい覚えている。
美優紀の匂いや、しぐさや、全てを…
おかしいやろ?
そう言って笑ってよ…
別れているのに美優紀の事ばかり…
美優紀はうちの中の忘れられぬ人。
全て捧げた人。
もう二度と戻れなくても…
今はただ美優紀・・・美優紀の事だけで…
美優紀の事ばかり考えてしまう…
もう…会えないの…?
カフェをでて本屋で立ち読み。
ほとんどが暇つぶし。
今まで、暇などなかった。
学校、部活、美優紀。
すべての日をこれらで埋め尽くした。
そこらの漫画を手に取りパラパラとめくる。
内容はほとんど入っていない。
ア「…次はこのナンバー。HYて366日。」
ふと、耳に入ってきたアナウンス。
歌が流れ始める。